「学校に行きたくない」が続いたら|不登校・登校しぶりの最初の一歩と、相談先・学びの場の選び方

「学校に行きたくない」が何日か続くと、おうちの方のほうが先に不安になります。無理に行かせなくても、お子さんの人生は止まりません。最初の2週間でやること、相談先、学校以外の学びの場、出席扱いや進路のことを、順番にまとめました。
「学校に行きたくない」が続いたら、まず休ませて大丈夫
朝になるとおなかが痛い、着がえたのに玄関から動けない、日曜の夜から元気がない。そんな日が続くと、「このまま行けなくなったらどうしよう」と、おうちの方のほうが先に不安になります。
最初にお伝えしたいのは、無理に行かせなくても、お子さんの人生が止まるわけではないということです。義務教育は休んでも卒業できますし、学校以外にも学べる場所、相談できる人がたくさんあります。2024年度に不登校だった小中学生は約35万人、およそ26人に1人(中学生では15人に1人)です。珍しいことでも、育て方のせいでもありません。
ひとことで言うと
まずはお子さんの体と心を守ること。そのうえで、担任の先生かスクールカウンセラーに「最近こういう様子です」と早めに伝えておくと、あとの選択肢が広がります。
不登校と登校しぶり、どこからが「不登校」?
文部科学省の調査では、病気や経済的な理由ではなく、年間30日以上欠席した状態を不登校と数えます。ただ、30日はあくまで統計上の線です。行きしぶりが始まった時点から、お子さんの中では何かが起きています。
2017年に施行された「教育機会確保法」では、不登校を問題行動と受け取らないこと、休養が必要なときがあること、学校に戻ることだけをゴールにしないことが示されました。学校側もこの考え方で動くことになっています。「学校に戻す」ではなく、「この子がどう学び、どう人とつながるか」を一緒に考える、というのが今の支援の形です。
文部科学省の調査で、不登校の子どもについて学校が把握した事実の上位は、「やる気が出ない」(30.1%)、「生活リズムの不調」(25.0%)、「不安・抑うつ」(24.3%)でした。きっかけと理由は別のことが多く、お子さん自身も説明できないことがふつうです。「なんで行きたくないの?」と聞いても答えが出ないのは、そのためです。
最初の2週間でやること
- 体の不調は小児科へ。朝起きられない・立ちくらみ・頭痛があるときは、起立性調節障害など体の病気が隠れていることがあります。「怠け」と決めつけずに、まず診てもらってください。
- 担任の先生に、短くていいので連絡する。「しばらく休ませます。様子はこうです」と伝えるだけで、学校の側で記録と支援の準備が始まります。欠席の連絡を毎朝するのがつらければ、「来週まではお休みします」と、まとめて伝えてかまいません。
- スクールカウンセラーの予約を入れる。お子さんが会わなくても、保護者だけで相談できます。学校の中のことを知っていて、しかも先生ではない人です。
- 生活リズムは、責めずに見守る。昼夜逆転は、心が疲れているときの自然な反応でもあります。整えるのは、少し元気が出てからで大丈夫です。
- 家を「安全な場所」にする。学校の話を毎日しない、勉強の遅れの話を今はしない。お子さんが話し始めたときに聞ける状態でいることが、いちばんの支援です。
相談先と、聞けること
| 相談先 | こんなときに | 探し方 |
|---|---|---|
| 担任の先生・特別支援教育コーディネーター | 欠席の扱い、別室や短時間の登校、プリントの受け取り | 学校に電話。「コーディネーターの先生と話したい」と言える |
| スクールカウンセラー(SC)・スクールソーシャルワーカー(SSW) | 子どもの気持ちの見立て、家庭の事情も含めた相談 | 学校経由で予約。多くは無料 |
| 教育支援センター(適応指導教室) | 学校以外に通える公的な場所がほしい | 「市区町村名+教育支援センター」で検索。教育委員会が運営 |
| 教育相談所・教育センター | 学校とは別の場所で、専門家にじっくり相談したい | 都道府県・市区町村の教育委員会のサイト |
| 小児科・児童精神科 | 体の不調、眠れない、食べられない、不安が強い | まずはかかりつけの小児科から紹介してもらう |
| こども家庭センター・児童相談所 | 家庭全体のこと、きょうだいのこと、経済的なことも含めて相談したい | 市区町村のサイト。児童相談所は 189(いちはやく) |
| 24時間こどもSOSダイヤル | 子ども本人が、誰かに話したいとき | 0120-078-310(無料・24時間・文部科学省) |
| 親の会・民間の支援団体 | 同じ経験をした保護者と話したい。情報がほしい | 下の「COMUGICOでさがす」から |
どこに相談しても、「学校に戻すことが目的ではない」と最初に言ってもらえるところが、今のお子さんに合う相談先です。
学校以外の「学びの場」
教育支援センター(適応指導教室)
教育委員会が運営する、不登校の子どものための公的な教室です。全国に約1,870か所あり、利用は無料。少人数で、自分のペースで過ごせます。通えば在籍校の出席扱いになるのがふつうです。
校内教育支援センター(別室登校)
教室には入れないけれど学校には行ける、という子のために、学校の中に別の部屋を用意する取り組みです。2025年度は公立中学校の約8割、小学校の約5割に設けられています。「保健室や図書室で過ごす」という形から始められることもあります。
フリースクール
民間が運営する居場所・学びの場です。学習中心のところ、遊びや体験が中心のところ、少人数のところなど、色がさまざまなので、見学してお子さんが「ここならいいかも」と思えるかが決め手です。費用は月に数万円のところが多く、東京都のように利用料の助成(月2万円まで)を出す自治体も出てきました。お住まいの自治体名と「フリースクール 助成」で調べてみてください。
学びの多様化学校(旧・不登校特例校)
不登校の子どものために、授業時間や教育課程を特別に組んだ正式な学校です。2025年度に全国で59校。2027年度までに全都道府県・政令市に1校以上、将来は300校を目標に増やす計画です。通うには転校の手続きが必要で、窓口は在籍校か市区町村の教育委員会です。
オンライン・自宅での学習
自宅でICT教材やオンラインの個別指導を使って学ぶ方法です。家から出るのがつらい時期や、人が多い場所が苦手なお子さんに合います。学校と連携すれば出席扱いになる道もあります(次の章)。
出席扱いと、成績・進路のこと
義務教育の小・中学校は、欠席日数が多くても卒業できます。中学校卒業の資格がなくなることはありません。
フリースクールや教育支援センター、自宅でのICT学習は、文部科学省の通知にもとづいて校長の判断で「出席扱い」にできる仕組みがあります。保護者と学校が連絡を取り合っていること、学習の計画や内容が確認できること、などが条件です。施設によっては学校とのやりとりに慣れているので、見学のときに「出席扱いの実績はありますか」と聞いてみてください。
高校進学では、中学校の出席日数と内申点がかかわります。ただ、不登校の生徒を前提にした入試枠(東京都のチャレンジスクールなど)や、通信制・定時制高校、高卒認定試験と、道は一つではありません。中学3年生になる前に、担任か教育支援センターに「進路の選択肢を教えてほしい」と相談しておくと安心です。
高校生の場合は、出席日数が足りないと進級できないことがあります。早めに学校に相談し、通信制への転校も含めて考えるのが現実的です。2024年度の高校生の不登校は約6.8万人で、転校や進路変更をした生徒も少なくありません。
おうちの方が自分を責めないために
不登校の子どもの約4割は、学校の内外で専門的な相談や指導を受けていません。相談先につながらないまま、家庭だけで抱えているケースが多いということです。
お子さんと同じくらい、おうちの方にも休む場所が要ります。親の会は、同じ経験をした保護者が集まる場所で、「うちだけじゃなかった」と思えるだけで気持ちが変わります。仕事との両立に悩むときは、こども家庭センターや児童相談所に家庭全体のことを相談できます。きょうだいへの影響が気になるときも、同じ窓口で話せます。
「原因を突き止めて取り除けば戻れる」と考えると、親子ともに苦しくなります。きっかけは一つでも、行けなくなった理由は重なっていることがほとんどです。今日のお子さんの顔色がいいか、ごはんを食べたか、笑った瞬間があったか。見るのはそこで十分です。
COMUGICOでさがす
COMUGICOでは、不登校の子どもと家族を支える団体を「不登校・ひきこもり」の対象でさがせます。フリースクール、親の会、学習支援、オンラインの居場所など、お住まいの地域でもしぼりこめます。
発達が気になることと重なっているときは、「うちの子、ちょっと気になる」ときの相談先の選び方もあわせてどうぞ。
家で学べる選択肢(PR)
学校や教育支援センターと並行して、家で始められる民間のサービスもあります。人と会うのがつらい時期の選択肢のひとつとして紹介します。
※ここから先はアフィリエイト広告(PR)です。申し込みがあるとCOMUGICOに紹介料が入り、サイトの運営費にあてています。合う・合わないはお子さんによって違うので、無料の相談や体験で確かめてから決めてください。
ティントル|不登校専門のオンライン個別指導
不登校・登校しぶり・保健室登校の小中高生が対象。完全マンツーマンで、教育心理カウンセラーなどの資格をもつスタッフが、勉強のことだけでなく保護者の相談にも応じます。チューターは相性で選べます。無料の相談・体験があります。
クラスジャパン小中学園|オンラインのフリースクール
明光義塾のグループが運営する、オンラインで通うフリースクールです。生徒ごとに担任がつき、タブレット教材での自宅学習、部活動、ホームルームで地域を超えた友だちづくりができます。在籍校の出席扱いにつながった例もあります(最終判断は学校)。資料請求ができます。
明光フリースクール|明光義塾が運営する小中学生のフリースクール
子どもの「好き」「得意」を出発点に、体験を通して「やったらできた」を積み重ねることを大切にしているフリースクールです。保護者と一緒に歩む形で、資料請求と説明会があります。
よくある質問
不登校になると、中学校を卒業できませんか?
卒業できます。義務教育の小・中学校は、欠席日数が多くても卒業できます。高校は出席日数が進級にかかわるので、早めに学校へ相談してください。
フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
なることがあります。文部科学省の通知にもとづいて、保護者と学校が連携していること、学習の内容が確認できることなどを条件に、校長の判断で出席扱いにできます。見学のときに実績を聞いてみてください。
最初にどこへ相談すればいいですか?
担任の先生とスクールカウンセラーです。保護者だけでも相談できます。学校に話しにくいときは、市区町村の教育支援センターや教育相談所に直接相談できます。
参考にした情報
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について(通知)」
- 文部科学省「24時間こどもSOSダイヤル」
- 東京都「フリースクール等利用料助成金(令和8年度)」
文部科学省の調査・通知と、自治体の公的な案内をもとに、2026年10月時点の情報でまとめています。制度や数字は変わることがあるので、申請のときは最新の案内を確かめてください。最新の情報は各リンク先でご確認ください。








