ヘルプマークのもらい方と使い方|対象になる人・つけ方の工夫・ヘルプカード

ヘルプマークは「外から見ただけでは分からないけれど、配慮や手助けが必要です」と周囲に伝えるための赤いマークです。この記事では、どんな人が対象なのか、どこで無料でもらえるのか、子どもがつけるとどんな良いことがあるのか、つけ方の工夫やヘルプカードとの併用までを、支援が必要な子どもを育てる家族の目線でまとめました。
ヘルプマークとは
ヘルプマークは、赤い地に白い十字とハートを描いたマークです。義足や人工関節を使っている人、内部障害や難病のある人、妊娠初期の人など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている人が、そのことを周囲に知らせるために東京都がつくりました。
2012年10月に都営地下鉄大江戸線で配布が始まり、2017年7月にはJIS(案内用図記号)に登録されて全国共通のマークになりました。いまではすべての都道府県で配布されています。
ひとことで言うと
「見た目では分からないけれど、助けが必要なときがあります」を、言葉にしなくても伝えられる目印です。マークを見た人には、席を譲る・声をかける・困っていたら手を貸す、といった行動をお願いしています。
対象になるのはどんな人?
「障害者手帳を持っている人だけ」と思われがちですが、そうではありません。外見からは分かりにくい理由で、配慮や手助けが必要な人なら誰でも対象です。たとえば次のような人です。
- 心臓・腎臓・呼吸器などの内部障害や、難病のある人
- 発達障害、知的障害、精神障害のある人(パニックになりやすい、口頭での説明が難しい、など)
- てんかんやアレルギーなど、急に体調が変わることがある人
- 義足・人工関節・補聴器などを使っている人
- 妊娠初期の人、病気の治療中やリハビリ中の人
- お子さん本人。年齢の制限はありません
「うちの子は対象になるのかな」と迷ったら、「外出先で誰かの助けが必要になる場面があるか」で考えてみてください。あるなら、持っておいて損はありません。
もらい方:配布場所と手続き
配布場所
各自治体の指定の窓口で、無料で受け取れます。場所は自治体によって違いますが、市役所・区役所の障害福祉の窓口、保健所・保健センター、障害者相談支援センターなどが一般的です。東京都では都営地下鉄の各駅(一部を除く)、都営バスの営業所、都立病院などでも配布していて、郵送にも対応しています。
お住まいの地域の配布場所は、「(自治体名) ヘルプマーク」で検索するのがいちばん早いです。都道府県ごとの配布状況は、東京都福祉局の「助け合いのしるし ヘルプマーク」にまとまっています。
手続き
本人か代理人(保護者など)が窓口で「ヘルプマークをください」と申し出るだけです。東京都では障害者手帳や診断書の提示は不要です。多くの自治体も同様ですが、簡単な申請書の記入を求めるところもあります。
原則は1人1枚です。フリマアプリなどでの転売は禁止されていますので、必要な人にきちんと届くように、譲り合って使いましょう。
配布場所に行けないとき
災害のときや、窓口が遠くて行けないときは、デザインを変えずにカラー印刷したものを使うことができます。東京都のガイドラインでは、マークを改変しなければ大きさは自由とされています。画像とガイドラインは東京都福祉局のサイトからダウンロードできます。
ヘルプマークがついたパスケースやキーホルダーなどの市販品もあります。反射材つきのものや、ICカードが入るものなど、通学に便利な形も多いので、リュックにつけるならこうした製品を使うのもひとつの方法です。ただし、ヘルプマークそのものを売り買いすることはできませんので、製品を選ぶときは東京都のガイドラインに沿ったものかを確認してください。
子どもがヘルプマークをつけるメリット
支援が必要な子どもがヘルプマークをつけると、本人にも家族にも、日々の外出がすこし楽になります。
1. 声をかけてもらいやすくなる
「この子は手助けが必要なときがある」と周りが気づけるので、困ったときに声をかけてもらえたり、優先席を譲ってもらえたりします。
2. 言葉で説明できなくても伝わる
発達障害や内部の病気など、見た目では分からない特性を、その場で説明するのは難しいものです。マークがあれば、説明しなくても「配慮が必要」が伝わります。
3. 本人と家族の安心につながる
「困ったら助けてもらえる」という安心感は、ひとりで外出する一歩を後押しします。保護者や支援者も「必要なときに気づいてもらえるかもしれない」と思えるので、送り出しやすくなります。
4. 緊急時の対応が早くなる
症状や連絡先を書いたカードをいっしょに持っておくと、急な体調不良や災害のときに、必要な連絡がすぐ届きます(後述の「ヘルプカード」を参照)。
また、「どうしてヘルプマークをつけているの?」と学校や友だちに説明することは、本人にとって「困ったときは助けてほしい」と意思表示する練習にもなります。周りの理解が深まれば、協力しやすい環境づくりにもつながります。
つけ方の工夫
- 見える場所につける。リュックの外側、かばんの持ち手など、周りから気づきやすい位置に。
- 裏面のシールを活用する。ヘルプマークの裏には、必要な配慮や連絡先を書いたシールを貼れます。「大きな音が苦手です」「話しかけるときはゆっくりお願いします」など、短く具体的に。
- 学校や通所先と共有する。つけている理由と、困ったときにしてほしいことを先生や支援者に伝えておくと、周りの子への説明もしやすくなります。
- 予備を持つ。かばんを替えるときに付け替え忘れがないよう、印刷したものを予備として持っておくと安心です。
ヘルプカードもいっしょに
東京都には、ヘルプマークとは別に「ヘルプカード」があります。緊急連絡先や、してほしい支援の内容を書いておくカードで、「困った」と言えない人、困っていることを自分で気づきにくい人のためにつくられました。
ヘルプマークが「助けが必要です」を伝える目印なら、ヘルプカードは「こう助けてください」を伝えるメモです。名前、連絡先、かかりつけの病院、薬、苦手なこと、してほしいことを書いて、ヘルプマークといっしょに持ち歩くと、本人も家族も安心です。カードの様式は自治体で配布しているほか、東京都福祉局のサイトからもダウンロードできます。
ヘルプマークを見かけたら
この記事を読んでいる方の中には、ご自身やお子さんがつける側ではなく、「見かけたときにどうすればいいか知りたい」という方もいると思います。難しいことは何もありません。
- 電車やバスでは、席を譲る。
- 困っている様子なら、「大丈夫ですか」「何かお手伝いできますか」と声をかける。
- 災害や急な体調不良のときは、安全な場所へ移動する手助けをする。
- 返事がなくても、無理に続けず、そっと見守る。
マークの意味を知っている人が増えるほど、つけている人は安心して外に出られます。周りの人にも、ぜひ伝えてみてください。
よくある質問
ヘルプマークをもらうのに、障害者手帳や診断書は必要ですか?
東京都では不要で、窓口で「ヘルプマークをください」と申し出るだけで受け取れます。多くの自治体も同じですが、簡単な申請書の記入を求めるところや、配布対象の考え方が少し違うところもあります。お住まいの自治体の案内を確認してください。
子どもでももらえますか?
もらえます。年齢の制限はありません。本人が窓口に行けない場合は、保護者などの代理人が受け取れる自治体がほとんどです。
東京都以外に住んでいても、もらえますか?
もらえます。ヘルプマークは東京都が作ったマークですが、2017年にJIS(案内用図記号)に登録されて全国共通のマークになり、現在はすべての都道府県で配布されています。配布場所は自治体ごとに違うので、「お住まいの自治体名 ヘルプマーク」で検索してください。
なくしてしまいました。もう一度もらえますか?
原則は1人1枚ですが、紛失や破損のときは再配布に応じる自治体が多いです。窓口で事情を伝えてください。配布場所へ行けない場合は、東京都のガイドラインに沿ってデザインを変えずに印刷したものを使うこともできます。
ヘルプマークをつけている人を見かけたら、どうすればいいですか?
電車やバスでは席を譲る、困っている様子なら「大丈夫ですか」と声をかける、災害や急な体調不良のときは安全な場所へ移動する手助けをする、といった行動が助けになります。声をかけても返事がないときは、無理に続けず見守ってください。
参考にした情報
- 東京都福祉局「ヘルプマーク」
- 東京都福祉局「助け合いのしるし ヘルプマーク」(全国の配布状況・ガイドライン)
- 福ナビ「ヘルプマーク・ヘルプカードについて」
- 日本規格協会 JIS Z 8210:2017 案内用図記号(ヘルプマーク)
この記事は公的機関の案内をもとに、むぎこがまとめました。制度や配布方法は変わることがあります。最新の情報は各リンク先でご確認ください。





