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くらしの工夫

多機能トイレ(バリアフリートイレ)のピクトグラム、いくつ分かる?|「だれでもトイレ」のサインと使うときのマナー

「だれでもトイレ」の案内サイン。車いすのマークと、オストメイト・おむつ交換台・レインボーのピクトグラム

新しい商業施設には「多機能トイレ」「だれでもトイレ」がほぼ必ずあり、手すりがないと座れないうちの娘も、親と一緒に安心して使えます。入口のサインをよく見ると、車いすのマークのほかにも見慣れないピクトグラムがいくつも並んでいます。この記事では、街で見つけたサインの写真をもとにピクトグラムの意味を紹介し、2021年に国が「多機能トイレ」を「バリアフリートイレ」と呼び方を改めた理由と、必要な人が使えるようにするためのマナーをまとめました。

新しい街には「だれでもトイレ」がある

私の住む町では、私鉄路線の地下化にあわせて駅前の再開発が進んでいます。新しい商業施設が次々に建ち、内装材のにおいが漂うピカピカのお店を見て回るのは、とても気分がいいものです。

まだおむつが完全に取れていない娘は、手すりがないと便座に座るのがむずかしいので、出先では親と一緒に「だれでもトイレ」を使います。真新しい建物には「多機能トイレ」「だれでもトイレ」が必ずと言っていいほどあり、不便を感じません(まれに30分以上こもっている人がいたり、床がびしょびしょだったりもしますが……)。

そして、こうした新しいトイレの入口には、車いすのマークだけでなく、いろいろなピクトグラムが並んでいます。

多機能トイレ(バリアフリートイレ)とは

車いすを使う人が利用できる広さや手すりに加えて、オストメイト用の設備、おむつ交換台、ベビーチェアなどを備え、車いす使用者だけでなく高齢者・障がいのある人・子ども連れなど、さまざまな人が使えるようにしたトイレのことです。

街で見つけたサイン

先日、近所の大型家電量販店にあったサインがなかなかいい感じでした。

ピクトグラムの意味

写真に写っているピクトグラムの意味を、番号つきで見ていきます。多くは JIS(案内用図記号)で決められた共通のデザインなので、ほかの施設でも同じ形で見かけます。

車いすのマーク(障がい者のための国際シンボルマーク)写真1・2

車いすを使う人が利用できる広さ・手すりのあるトイレを示します。「車いすの人専用」ではなく、障がいのある人全般が使える設備であることを表す世界共通のマークです。

おなかに十字のある人(オストメイト対応)写真1・2・3の左上

人工肛門・人工膀胱をつくった人(オストメイト)が、排せつ物をためる袋を洗ったり交換したりできる専用の流し(汚物流し)があることを示します。

台の上の赤ちゃんをお世話する人(おむつ交換台)写真1・2・3の右上

乳幼児用のおむつ交換台があることを示します。写真のように性別を問わないデザインなので、お父さんも使えることが伝わります。

便座に座る大人と小さないす(ベビーチェア)写真3の左下

大人がトイレを使う間、赤ちゃんを座らせておける乳幼児用のいすがあることを示します。

立って用を足す人(男児用小便器)写真3の右下

子ども用の小便器があることを示します。男の子連れのお母さんにも分かりやすいマークです。

レインボー(オールジェンダー)写真1・2

JISのマークではありませんが、性別に関係なく誰でも使えるトイレであることを示すために、虹の旗を添える施設が増えています。写真のサインもそのひとつです。

「多機能トイレ」から「バリアフリートイレ」へ

この記事をFLOURに書いた2023年の時点では「多機能トイレ」「だれでもトイレ」が一般的な呼び方でしたが、国土交通省は2021年3月に建築設計標準を改正し、公式の名称を「バリアフリートイレ」に改めました。

背景にあるのは利用の集中です。「多目的」「だれでも」という名前のせいで、一般のトイレを使える人も気軽に使うようになり、車いすを使う人が長く待たされる問題が起きていました。国土交通省の調査では、車いす使用者の94%が「待たされた経験がある」と答えています。

そこで国は、「だれでも」「みんなの」といった名称を避けること、オストメイト用設備やおむつ交換台・ベビーチェアなどを一般トイレ側にも分けて設置すること(機能分散)を求めています。入口に「本当に必要な人のために、長時間の利用や着替え・休憩などの目的外利用はご遠慮ください」という掲示が増えたのも、この流れです。

とはいえ、うちの娘のように見た目では分からない理由で広いトイレや手すりが必要な子どももいます。「車いすでないのに使っている」と決めつけず、お互いに譲り合えるといいなと思います。

娘とトイレ

娘はおむつを汚さずトイレに成功するとたくさん褒めてもらえるので、出先で多機能トイレを見つけると「ちっちしたい!」と、出ないくせにトイレに行きたがるようになってしまいました。

スペースやコスト、運用にはまだまだ課題がありますが、必要な人がきちんと使えるかたちで広く普及してほしいと思う今日このごろです。

国土交通省の「多機能トイレへの利用集中の実態把握と今後の方向性について」には、調査の結果と、利用マナーを呼びかけるパンフレット「思いやりの心を持ってトイレを利用しましょう!」があります。ぜひ一度読んでみてください(下の「参考にした情報」からどうぞ)。

よくある質問

「多機能トイレ」「多目的トイレ」「だれでもトイレ」「バリアフリートイレ」は同じもの?

設備はほぼ同じで、呼び方の違いです。国土交通省は2021年3月の建築設計標準の改正で、公式な呼び方を「バリアフリートイレ」に統一し、「だれでも」「みんなの」「多目的」といった名称は、誰でも使ってよいという誤解を招き利用が集中するため避けるよう求めています。ただ、すでに設置されているサインには古い名称が残っているので、当分は混在します。

障がいのない人が使ってはいけないの?

禁止ではありませんが、車いすを使う人や介助が必要な人など「そのトイレでないと使えない人」が待たされないよう、一般のトイレを使える人は長時間の利用や着替え・休憩などの目的外利用を控えるのがマナーです。国土交通省の調査では、車いす使用者の94%が多機能トイレで待たされた経験があると答えています。

オストメイトとは?

病気や事故で、おなかに人工肛門・人工膀胱(ストーマ)をつくった人のことです。排せつ物をためる袋(パウチ)を洗ったり交換したりするための専用の流し(汚物流し)がある設備を「オストメイト対応」と言い、おなかに十字(プラス)のあるピクトグラムで示します。

外出先でバリアフリートイレを探すには?

東京都の「だれでも東京」など自治体のバリアフリーマップ、施設の公式サイトのフロアマップ、駅であれば鉄道会社の駅構内図で調べられます。COMUGICO の団体ページでも、配慮タグ「多目的トイレ」で施設を探せます。

参考にした情報

この記事は公的機関の案内をもとに、むぎこがまとめました。制度や配布方法は変わることがあります。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

この記事を書いた人・COMUGICO運営・当事者家族

むぎこ

サポートが必要な子どもを育てる母。COMUGICOの運営と、団体さんの情報整備・記事づくりを担当しています。

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