キッズプランナーさん主催の【歌って!踊って!コンサート!!】に行って来ました。

キッズプランナーは子育て全般に様々なアプローチで支援を提供しており、「子ども達の幸せな笑顔が社会を豊かにする」という理念に基づき、様々な支援活動を実践している。
特別な支援を必要とする子どもだけを対象にしているわけではなく、全ての子どもと子育てに携わる方々が対象という、活動そのものがインクルージョンで懐の深い団体である。

そんなキッズプランナーによる今回の企画は、なんとサンリオピューロランドの入場料(3,900円)無料、参加費無料という大盤振る舞いだ。
かなり寒くなってきたこの季節に暖かい屋内のイベントはありがたい。
万年金欠でフトコロが常に寒い我が家にとってもこの上なくありがたい。

コロナでの自粛に慣れてしまいすっかり出不精になっていた私。遊び盛りの娘はストレスがかなり溜まっているだろう。コロナ禍がひとまず一段落してきたこのタイミングはお出かけするにはベストタイミングだ。
申し込んだ妻はイベント前日が手術なので残念ながら入院中の病室で待機することになった。

歌やダンスに無縁であった我が家であるが、娘はちょっと違う。
子ども番組を観ては楽しそうに歌って踊る。
道を歩いている時、公園で遊んでいる時、いつでも何かを口ずさんでおり、乗ってくると何やらリズミカルに身体を動かしている。
そしてその様子を見て我々も思わず目を細めてしまう。その瞬間に様々なストレスや悩みはあっという間に消え去っていく。
単なる親バカかもしれないが、これこそ歌やダンスのチカラだとも思う。

今回のイベント自体は申し込み完了済みだが、カラオケステージの出場は抽選で当たらなければ出場できないらしい。
当選確率を考えると娘のカラオケデビューは残念ながらまだ少し先になりそうだ。
娘が歌えなかった場合は「ステージに穴を開けるわけにはいかないでしょ。YOU歌っちゃいなヨ!」と妻から指示が出ていた。
自慢じゃないがくじ運は良い方じゃない。
音痴で上り症の私は「まぁ当選しないだろう」と少々油断していた。

しかし、程なく”おめでとうございます!カラオケ出場当選しました!”のメールが届いた。

ヤバイ!

娘がしっかり歌わねば、私が万来の客席に向かってステージの上で”とんでったバナナ”を熱唱する羽目になる。
こうなったらイベント前日まで”とんでったバナナ”を猛特訓させるしかない。万が一の為に私も練習したほうが良いかもしれない。

早速JOYSOUNDのスマホアプリをダウンロードし、”とんでったバナナ”をプレイする。
いつも見ている動画のイントロに気づき、娘の目がキラリと光る。
あっ!そうだ。本番はマイクを持って歌うんだ。私は近くにあったヘアブラシをマイク代わりに持たせた。キョトンとする娘。
音楽が始まっても一向に歌が流れないタブレットを首を傾げ眺めている。
カラオケの歌い出しは難しい。
まずは手本を見せようと必死にメロディの途中から歌おうとしたが、音痴な私は結局1番では入れなかった。

2番からかろうじて歌い出すと娘は満面の笑みでヘアブラシを放り出し、いつも見ている動画の振り付けで踊り始めた。

「バナナン、バナナン、バナナ!」

頭の上で合掌して体をくねらせ、最後に足を後ろにピョンと上げる。
まぁ可愛らしい!思わず拍手した。
が、そうじゃない。私が歌ってどうするのだ。
リビングの隅に転がるヘアブラシを再び娘に渡し、アプリを再生する。
イントロが終わり画面下に歌詞が流れる。

「なぜ歌わない?」咎めるような娘の視線と私の視線が交差する。「はい、どうぞ」と渡されたヘアブラシ。
仕方ない。また私が歌って娘が踊る。
練習を重ねるにつれ、上がる私の歌唱力とキレを増す娘の踊り。いつしかヘアブラシはもう私の右手の一部となり、5番まである”とんでったバナナを歌詞を見ずに歌えるまでになった。

いよいよ当日。会場最寄り駅の多摩センター駅は改札口からサンリオ一色だ。

娘は見覚えのあるキャラクターを見つけてはキャッキャとコーフンを隠せない様子。いつまで経っても会場にたどり着けやしない。
なんとか会場まで行くと、コロナ禍の一段落した週末のピューロランドはかなりの人が並んでいた。
一般入場の人々とは別の場所で入場券を受け取る。小市民の私はそれだけでなんだか嬉しく僅かな優越感を感じてしまう。そんな自分の小ささがたまに嫌になる。
入場は一般の人と同じ列に並び手荷物検査、検温・手指消毒ともうすっかりお馴染みのルーチンを行い、異空間へのゲートをくぐった。

イベントの時間まではまだ余裕がある。館内のレストランで食事をとり、あちこちをウロウロしてみる。
シンボリックな中央の大木の前に様々なキャラクターが入れ替わり立ち替わり現れ、来場者を楽しませており、娘も釘付けになっていた。

時間がきて慌てないように会場を確認しようと歩いていると、
「リオちゃんですよね。Instagram見てますよー。」
と声を掛けられてビックリした。
ものすごく嬉しかったのだが、驚きでマゴマゴしてしまい、ろくに挨拶もできない自分に少し情け無くなった。

カラオケ出場者は少し早めに会場入りである。
ここで初めてキッズプランナーのWさんに対面することができた。
妻はオンラインの打合せで何度かお会いしているが、私は実質初対面だ。
「は、はじめまして!よ、宜しくお願いします!」
美人、美人と聞かされていたが、美人だった。
マスクをしていても美しさが溢れ出している。ステキな活動をしている人は何故かみな魅力的なのだ。
Wさんは開演前の様々な手順の確認などをJOYSOUNDのスタッフの方々とテキパキとこなし、会場を走り回っている。
子どもの笑顔の為にこんなに尽力してくださる姿を見て思わず目頭が熱くなった。

いよいよ開演。
わたしたち出場者は最前列に着席している。かぶりつきの席だ。
液晶越しにしか見たことのない、歌のお兄さんお姉さんが4、5メートル先で手遊び歌などで子どもたちを盛り上げる。
メインイベントのカラオケステージが始まった。

娘の出番は4番目。
個性的な出場者達のカラオケに惜しみない拍手が送られ、会場もかなり暖まってきた。
MCのお兄さんに名前を呼ばれる。
娘はいつになく真剣な眼差しで立ち上がりステージへ向かった。階段は手摺りがないので、しっかりと娘の手を握りながら登る。

たかだか1メートルぐらいだが、スポットライトで照らされたステージの上は暗い客席とは別世界だった。
開場前に入り、最前列の出演者席に座っていたため気が付かなかったが、客席は満席で立見まで居るではないか。
私は緊張で頭が真っ白になりかけたが、当の娘はトコトコとステージのセンターに向かって歩いていく。
前の3組がステージで歌っているのを見ていたので所作はわかっているようだ。
MCのお兄さんが質問を投げかけるが娘の耳には届いていない。
代わりに私がしどろもどろの受け答えをする。

「さあ、飛んでったバナナ!どうぞー!」

お兄さんの声の後、少し間を空けて耳にタコができるほど聞いたイントロがながれはじめた。
大きな声ではないが娘は歌いはじめた。立派に歌っている!

横にしゃがんだ私はいつぞやの料亭のささやき女将ばりに娘の耳元で歌詞をささやき続けた。なんとか無事に”とんでったバナナ”を二番まで歌い上げた娘。
私が歌詞を見ずにささやき続けられたのは練習の賜物だ。練習しておいてよかった。

緊張のステージを降り、大役を終えてホッとしながら席に戻った。

友達同士のグループで練習の成果を発揮する女の子達をみて、「娘にも沢山の友達ができてほしいな。」と思ったり、ママと一緒によちよち歩く小さな子どもに心の中で「頑張れー!」と応援したりしていた。

そんな中、キッズというには少しアダルトな17歳の少年がステージに。
MCのお兄さんよりも背が高い落ち着いた風情の少年の登場にほんの少しざわつく会場。しかし彼は全く臆することもヘラヘラすることもなく堂々とステージの中央へ。
真正面を向き、まるで生徒会長の佇まいだ。
彼の三倍近い年齢の私よりしっかりしている。
MCの紹介によると、サンリオの大ファンの妹を喜ばせたくて今日のイベントに参加したという。
客席を振り返ると、妹さんであろう少し歳の離れた小学生とおぼしき女の子が嬉しそうにステージに向かって小さく手を振っている。
隣のご両親も幸せそうだ。
歌声も素晴らしかった。声楽を学んでいるのかもしれない。

3人居る妹を邪魔者扱い、使いっ走りにしていた私はスポットライトのせいばかりではない眩しいステージに過去の自分を恥るばかりだった。

全部で11組のキッズが出演した。仲良し3人組や、歌いながら巧みなダンスを披露するグループ。緊張のためか歌えなくなってしまった娘の代わりに熱唱するママさん。
泣きながらも一生懸命歌ってくれた女の子。
みんなそれぞれ個性的なステージであったが、
共通していることが一つある。
子ども達の笑顔がこの時間、空間をこの上ない幸福感に満ちたものにしていたのだ。
それはまさにキッズプランナーの理念を具現化した空間であったのではないだろうか。

すっかり日も暮れ、イルミネーションが輝く多摩センターを歩きながら、こんな経験をさせてくれたキッズプランナーのスタッフさん、JOYSOUNDさんに心の底から感謝するのだった。
キッズプランナーの次の企画もとても楽しみだ。

イベント詳細 歌って!踊って!コンサート!!
– Produce Kids Smile –
日程 11月27日(土)
応募期間 11月4日(木)17:00~17日(水)23:59まで
会場 サンリオピューロランド
出演 キッズプランナー(AYUKA、MOE、NANAKO、YUU)
特別ゲスト ハローキティ、シナモロール
特別協賛 JOYSOUND
助成 文化庁(ARTS for the future!)
主催 キッズプランナー

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