LGBTQの啓蒙イベント東京レインボープライド2023へ行きました|Get in touch!!

東京レインボープライドをご存知だろうか。
レインボーカラーを掲げて行うLGBTQの啓蒙イベントだ。
Get in touchの方から声をかけて頂き、東京レインボープライドのパレードに参加する機会を頂いた。

ニュースのトピック程度しかパレードのことを知らない私は、際どい衣装や際立つ出立ちの参加者が繁華街を練り歩くというイメージしか持っていなかったのであったが、Get in touchの演劇舞台を観たり、ほかの啓蒙活動に触れるにつれ、当事者でなくとも「知る」ということが必要だと感じ参加を決めた。

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LGBTQ+とは
レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Trance Gender)の頭文字からできた、セクシュアルマイノリティを総称した言葉です。
「Q」には、「クィア」そして「クエスチョニング((Questioning))」の2つの意味があります。
「+」にはそのほかのセクシュアリティを表す記号になります。

当日は絶好のパレード日和であった。
最寄りの原宿駅は相変わらずの人混みだ。こころなしかレインボーカラーを身につけた人が目につく。
事前に予習をしていない私はイベントの規模など全く知らず、なんとなくマイノリティ(少数派)のイベント=少人数という意識であった。
右手に新緑の公園を見ながら広い歩道を気持ちよく歩く。
トレーナー+薄手の上着で丁度いい気温だ。
厚手のニットを着てきたムギコは早々にニットを脱いで手に持っている。
代々木公園けやき通りは何度もイベントで来ており、その度に楽しい記憶がメモリーされているのか娘の足取りも軽い。

目の前で歩行者信号が点滅を始めたので、次の青信号まで待つことにした。
信号の向こう側には尋常じゃない人混みがみえた。
「何か大規模なイベントとバッティングしたんだろうか。」
ムギコとそんな話しをしながら青になった信号を渡った。
報道で見るようなドラァグクイーンや奇抜な衣装を纏った人はあまり見かけないが、よく見るとほとんどの人がワンポイントでレインボーカラーの物を身につけている。
ちょっと恐怖感すら覚える人混みはどうやら全てレインボープライドの参加者のようだ。
「すごい人数だな、、、。」
全員が当事者というわけではなく、主旨に賛同している人が大勢参加しているのだろう。
しかし、もうマイノリティという言葉は似つかわしくない気がした。
人混みを掻き分けるようにGet in touchのブースを目指す。
途中には世界各国のブースや有名企業、大学のテントが数多く並び風船やレインボーフラッグを配っている。
SDGSの一つである多様性を認めあおうという社会の風潮に迎合し敏感に反応しているのだろうか、はたまた流行に乗り遅れまいと理解のあることをアピールしているのだろうか。一瞬ではあるがそんな捻くれた考えが頭をよぎる。

小さい子どもはほとんどいないせいか、あちこちで「可愛い、可愛い」とチヤホヤされて娘はご機嫌だ。
はぐれると大変そうなので3人でまとまって移動する。
公園の売店のベンチが空いたので腹ごしらえを兼ねて”びんちゃん”とここで合流することにした。
“びんちゃん”とは私の義弟、つまりムギコの弟でトランスジェンダーだ。LGBTQでいうところのTである。
とても穏やかで賢い自慢の弟だ。
WEDAというLGBTQの人の就労に関わるNPO法人の代表をしている。

私に容器を押さえさせ、片手で風船とフラッグを握りしめたまま美味しそうに焼きそばを貪る娘。たまに割り箸でペットボトルを指し「開けて」とジェスチャーする。何様ですか。
機嫌を損ねるとそれこそパレードどころじゃなくなるのでグッと我慢だ。
この人混みでうまく待ち合わせできるか心配であったが無事にびんちゃんと合流できた。
会場のマップを入手し、迷うことなくGet in touchのブースにたどり着いた。
受付で事前申込の名前を告げるとレインボーカラーのビブスを借りることができる。
Get in touchのロゴが誇らしい。
意気揚々と着用したがお腹の上で引っかかっているのに気付かず、レインボーカラーのスポーツブラを付けているようなスタイルでしばらく歩き回っていた。
それを全然教えてくれなかったムギコに悪意があったのは間違いないだろう。

ブースにはレインボーカラーのYogiboが置いてあり記念撮影ができるようになっていてメッセージボードを掲げて東ちづるさん、三ツ矢雄二さん、悠似さんと記念撮影ができた。
東さんは参加者との挨拶、記念撮影、スタッフの方への指示など陣頭指揮でてんてこ舞いしているがなんだかとても楽しそうだ。
セクシャルマイノリティに対する理解を深め差別をなくそうという理念に賛同するという共通点があるだけでこんなにも多くの人々が参集していることにびっくりするとともに、「差別反対!」などと眉間に皺を寄せて叫んでる人が全く見当たらない。
皆もれなく笑顔なのだ。
私はどうやらパレードとデモ行進を勘違いしていたようだ。

人混みに少々疲れたので木漏れ日が心地よいテント裏の花壇に腰掛け、パレードの出発を待つ。
レインボーカラーを身に付けた様々な人種や年代の人や、奇抜な衣装を纏った人が行き交うのを見ているのも楽しい。
隣に座った御家族と自然に会話が弾む。
反対隣の人も巻き込んで束の間のコミュニケーションを楽しんでいると、
「そろそろ出発しまーす!」
とアナウンスがあった。会場の出入り口付近で整列し、グループ単位で順番にパレードをはじめるようだ。
プログラム的には30分前にはパレードが始まっているらしいがようやく出番がきたらしい。
出発点までの移動で仲良くなった方と列に並ぶ。
フロートと呼ばれるトラックがGet in touchに縁のある音楽を流しながら先頭を進んでいるが後方の我々からは見えない。
信号ごとに警察官が交通誘導をしてくれているなか、2.5km/hくらいのペースで車道の左側をゆっくりと進む。娘にも無理のないスピードなのでありがたい。

「ハッピープライド!」「ハッピープライド!」
と皆口々に声を掛けながら沿道のギャラリーとハイタッチをしている。
パレードを観るために来た人やたまたま遭遇した人、ビルの窓から手を振る人、渋谷という繁華街ならではの驚くべきギャラリーの数だ。
娘はお祭りムードに興奮を隠せず、ちぎれんばかりに手を振り、タッチを繰り返しながら奇声、いや喜声を発している。

こりゃ楽しい!というのが正直な感想である。
やがて繁華街を抜けギャラリーが少なくなると娘のテンションも落ち着いてきた。そして始まる「抱っこ、抱っこして!」
娘の増加していく体重と反比例する私の体力と気力。無理です勘弁してください。と言ったところで聞く耳など持ってくれない。
グズる娘と前を歩く人との間隔が開きはじめたので、持てる力を振り絞って肩車に乗せた。
キャッキャとはしゃぎ飛び跳ねる娘。脊髄が悲鳴を上げる。う、動くんじゃねぇ!
表参道からゴールの代々木公園まではずっと登り勾配だ。ギャラリーもまた増え始めたが娘は降りようとしない。
息も絶え絶えでゴールに辿り着く。
パレードを終えた群衆をかき分けるようにしてGet in touchのブースに向かい、みんなで集合写真を撮ったあと借りたビブスを返却した。
なんとも言えない充実感を覚えながら初めてのレインボーパレードの会場を見渡すと、半世紀の人生で今まで知らずにいたLGBTQの世界を垣間見ることができた。

ニュースでトピックの1つとして取り上げられる奇抜なファッション、TV番組で見る個性的なタレント、まるでスキャンダルのように扱われる有名人の同性愛やヒステリックに差別反対を叫ぶデモ活動など、メディアで報じられるLGBTQはセンセーショナルに偏っていたんだと感じた。
そんな近づき難いイメージやLGBTQ=異端という偏見はここには無い。

今日までの私は知らず知らずのうちに刷り込まれたイメージで勝手に「別世界のこと」と認識し距離をとってしまっていたのだ。
そんな私は「生産性が無い」や「同性婚は見るのもイヤ」という発言をした政治家や秘書官と大差なかったのかもしれない。

失言した彼らだけでなく、LGBTQを知らない人や興味のない人、嫌いな人にも是非レインボープライドに参加してみてほしい。
多様性を認め合うことを実践しているレインボープライドは喜んで迎えてくれるだろう。
そしてきっと長年刷り込まれたイメージが払拭されるだろう。
共生社会・インクルーシブを念仏のように唱えるだけでは駄目なのだ。
まず「知る」こと。そのことを今回身をもって体感することができた。

参加して感じたのは「子ども」の参加が少ないということ、様々な障害が認知されインクルーシブという言葉が一般的になってきた現在でも子どものLGBTQについてはタブー視されているようだ。
でも未来はきっと明るい。こんなにも沢山の大人たちがレインボープライドに参加しているのだ。
私も大人の端くれとして自分なりのプライド(誇り)を持って活動していこうと心に誓うのだった。

名称 一般社団法人 Get in touch
所在地 東京都港区赤坂9-1-7 赤坂レジデンス532
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