Pray for Peace Collection 2020 被爆75年 未来ある子供たちのために

tenboデザインのテーマは”みんなが分け隔てなくオシャレを楽しめる服。
年齢、国籍、性別、障害の有無を問わず、全ての人が笑顔になれる服。そして平和をも願う服。”

今回の広島での[Pray for Peace Collection 2020]はコロナ禍の中、無観客で実施されました。
冒頭の挨拶で今回のファッションショー開催日(2020年8月6日)をtenbo代表の鶴田さんは「大人達が子ども達から学ぶ大切な日」と位置付けています。
モデルは広島在住の子ども達。

私よりひと回り若い鶴田さんは直接戦禍にあったわけではないでしょう。
私と同じく両親も戦争を体験してないかもしれません。

祖母が広島で被爆している私は被爆3世ですが、日常でそのことを特に意識したことはなく、ともすれば忘れています。

あの日、一瞬で親族や友人を焼き殺された高校生の祖母は死体だらけの真っ黒な焼け跡を妹の手を引きながら家族を探し回ったそうです。
普段は朗らかで暗い表情など見せない女性ですが、原爆の話しをする時は表情が曇ります。

終戦75年の今年、4分の3世紀が過ぎ戦争が遠い過去の事になりつつある現在、現実に戦争を体験した方々は高齢になり、今後は実体験を聞く機会がだんだん少なくなってしまいます。やがて戦争や原爆は本当に過去の出来事、「歴史の一部」になっていくのでしょう。

祖父母の住む広島へ遊びに行った時、当時のまま保存された原爆ドーム、生々しい記録を展示している平和記念資料館の展示、どちらも煤けて黒ずんだ目を背けたくなる物ばかりでした。
修学旅行で沖縄に行った時、南国の風にはしゃぎまくる高校生達をその後半日黙らせた”ひめゆりの塔”を見学した時の感覚。
「見なきゃいけない。目を背けてはダメだ」
と自分に言い聞かせて見学したことを思い出しました。

その時、「ただの”歴史の一部”にしてはいけない」なんだか焦りのような感覚が生まれましたが、残念ながら私にはその術がみつかりませんでした。
しかしtenbo代表の鶴田さんはファッションという”自分がすべきこと、自分にできること”を通じて戦争や原爆のことが過去の出来事になってしまうことに抗い、この教訓を糧に未来へつなげていかなければならないと感じ行動したのだと思います。

私が今回tenboのファッションで感じたのは”優しい光”でした。千羽鶴のドレスから放たれるオーラは黒く煤けた”歴史”をハレーションで見えなくするのではなく、優しい光で包み込むように感じました。PHOTO一覧はこちら
原爆ドームをモチーフにしたドレスは黒い骨組みの中からまるでステンドグラスのように明るく優しい光が溢れてくるようでした。

大人達が子ども達から学ぶ大切な日

未来を担うのは子ども達であり、その子ども達が願い語る”平和な未来”を作り繋げていくためには、私たち大人が子ども達の声に耳を傾け、学ばなければなりません。
モデルに子どもを起用し、その子ども達から願う未来を伝えてもらう。
tenboのファッションはうわべを着飾るモノではなく、内に秘めたスピリットがほとばしったり、滲み出た結果であり、明確なメッセージを持つものだと改めて思いました。

コロナ禍の中、開催には大変な苦労があったのは想像に難くありません。様々なイベントが中止を余儀なくされる中で無観客、インターネット配信という形であったとしても開催したのは、メッセージを伝えるためには、この日この時でなければならなかったのです。

鈍い私でも理解できる明確なメッセージ。
tenboのHPを飾る様々なファッションには他にも様々なメッセージが込められています。

抽象画のように見方によって色々なものに見える芸術は受け取る側に無責任に丸投げされてしまいがちです。
明確なメッセージを前面に出して勝負する鶴田さんの責任感と意志の強さ、そしてユーモアを忘れないセンスに脱帽なのです。

是非tenboのHPを見て下さい。そして機会があれば全国各地で開催されるショーを見て下さい。

名称 tenbo(テンボ)
デザイナー 鶴田 能史
WEB tenbo 公式サイト
WEB Pray for Peace Collection 2020
詳細ページ 障害者/難病ファッション
WEB tenbo ウェブショップ
Instagram @ tenbo_official
Facebook @ tenbo.tokyo
Twitter @ tenbo_design
YouTube @ tenbo official
LINEスタンプ @ tenbo

 

デザイナー鶴田 能史
世の中全ての人へ。
「人の為にデザインするファッションデザイナーになりたい」とずっと思っておりました。
機能性もありファッション性もある服は今まではなかったので着ているだけで幸せになるような服を創作していきます。
年齢、国籍、性別、障害の有無を問わず1着1着が大切にされる服を作っていきます。
◆ヘアメイク 信藤ゲンジ◆アクセサリー YukuAkatsubaki/viviennewestwood
◆photo Tsubasa Masuda

Pray for Peace Collection 2020 広島テレビCM放送

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