ある日いつものようにInstagramを開くと「日本一リアルタイムで相談できる小児PTかめきち」が久々にインスタライブをやると告知していた。
なになに、「 世界をつなぐおーくぼ X かめきちコラボライブ 」最近は日本中を忙しく飛び回っているかめきちだったがついに世界進出か?!ナミビアだと!
ネットで活動を見ているだけでも心配になるほど活発に行動しているのにまだ何か企ててるのか。全く最近の若いもんは、、、。
インスタライブのお知らせ画像には怪しげな男が写っていた。怪しすぎる。
深夜放送顔とでも言おうか、電波少年というTV番組でヒッチハイクしていた猿岩石や懸賞生活していたなすびを思いだす。最近ではナスDというTVキャラクターを彷彿させる。
大丈夫か。かめきち。心配だ。
その男「おーくぼ」はアフリカ大陸のナミビアで特別支援教育に従事しているという。
ただでさえ大変な「特別支援教育」を全く土地勘のないナミビアでやることに自ら志願したこの男。怖いもの知らずの勇者か、変わり者気取りのスタンドプレイヤーか、底なしのドMだな。
いずれにせよ変人か変態だろう。見た目からして。。。
当日のインスタライブは中盤辺りからの参加になってしまった。
いそいそと端末を立ち上げると爆笑しているかめきちがいた。とりあえず泣かされてはいないようだ。よかったよかった。
視聴を始めて20秒で私は自分の浅はかさを痛感した。
おーくぼさんはその破天荒な風貌とは裏腹にロジカルにわかりやすく現地での「特別支援教育」について語っていた。
穏やかな口調で熱く語る姿を見てあっという間に、このインスタライブに引き込まれてしまったのだ。
正直ほんの少しだけ猜疑心と敵愾心を持っていた私は完敗した気持ちだった。
予備知識ゼロで見させてもらったが、目から鱗がポロポロと落ち、体重が少し減ったようだ。
インスタライブをよくよく聞いていると、ナミビアのこどもに対しての直接支援教育をしているのかと思いきや、それだけではなく、最近では特別支援教育のメソッドを現地の教職員に伝授することに主軸を移しているという。
なるほど、食糧事情の悪い国にパンを送って支援するのではなく、小麦の育て方・パンの作り方を教えるのでもない。
おーくぼさんがやっているのは、ナミビアで肌身をもって感じた「格差社会」の中で、障害児やその家族がより良い未来を生きていくために必要なスキルを手に入れるための土壌作りなのだ。
教育の概念すら根本的に異なる国で特別支援教育を行い、現地のライフスタイルに合わせてカスタマイズしブラッシュアップする。
そして現地に最適化したメソッドを確立し、教師陣に伝授する。
そしておーくぼさんが去った後にも継続してその特別支援教育の手法が伝承されていく。
ナミビアでの特別支援教育が芽吹く瞬間を目撃した気がした。
「ナミビアの特別支援教育の夜明けぜよ!」
おーくぼさんと坂本龍馬が重なる。
しかし、当の本人からは気負った雰囲気は微塵も感じない。
ただやりたい事をやっているのではなく、やらなければならないという使命感でやっているのでもない。
やるべき事を自然にやっている人だと感じたのだ。
具体的な内容はおーくぼさんのInstagramやYouTubeを見てみてほしい。
こうして自身の経験をアウトプットしてくれるのも本当にありがたい。
おーくぼさんの発信する内容は「特別支援教育」のみならず「教育全般」いや、他者とのコミュニケーション全てに当てはまる手法なのだ。
人生の一部を世界の格差を縮めるために使うおーくぼさんにペシャワール会の中村哲さんにも通じるものを感じたのは彼が髭面だからではなく、根差しているものが同じだからなのだろう。
私は床に散らばったウロコを掃き集めながら、
「全く、近頃の若い奴は、、、素敵なヤツばっかりじゃないか、、、」
とニヤニヤしながら呟いていた。
名称 | 大久保雅弘 |
活動地域 | ナミビア |
@ oooookubo3 | |
YouTube | おーくぼin Namibia 〜アフリカ×特別支援教育〜 |