砧公園みんなのひろば見学会へ行ってきました

10/30
前日に嬉しい来客があり、今日の予定を考えずにはしゃいで遊び過ぎた我が家。
今日の予定とはTOKYO PLAYさんが主催する「砧公園みんなの広場見学会」である。

カーテンを開けると晴天だ。絶好の公園日和である。
足腰にかなりの疲労が残っていたが、そんなものを気にしている場合ではない良い天気。
砧(きぬた)公園とは世田谷区にある広大な都立の森林公園である。
その一角に”みんなの広場”ができたのは数年前だ。以前からの友人が東京都議員になり、このインクルーシブ公園の設立に尽力していたこともあり、とても興味があった。プレオープンの時はムギコが娘と遊びに行き、とても楽しかったときいていた。

かつては世田谷区民として生活し、未だに実家が世田谷区にあるくせに実は砧公園自体に行ったことが無かった。
最寄り駅からもかなり離れているというあまり立地がよくない場所で、もちろん近くに繁華街など無い。
自家用車を持たない我が家には少しアプローチのハードルが高かったのだが、かねてより行きたかった”みんなの広場”にいよいよ行く機会が巡ってきたのだ。

バスと電車を乗り継いでも行けるが、家族全員分だとタクシーに乗っても大差はない。それに何より時間がだいぶ違うし、体力を温存できるメリットもあるためタクシーで行く。

見学会の申込み後に知った同日開催のarteatreat(アートイートリート)さん主催のアートイベントも覗いてみたいと思い、13:00の集合時間に充分まに合う時間に家を出た。

お出かけ日和の日曜日は全国旅行支援や都民割の影響もあり、道路は少し混んでいる。渋滞は好きではないが、初めて行くみんなの広場へのワクワクが勝りあまりイライラしない。
小春日和の青空に期待が膨らむ。
結局砧公園に着いたのは集合時間の30分前であった。
タクシーを降りて公園に入ると手入れの行き届いた木々の間からあちこちに芝生の広場が見える。
見学会後に持ってきたフリスビーでたくさん遊べそうだ。
気持ちのいい木漏れ日の中、落葉を踏んで目的地へ向かった。
ハロウィン前日ということもあり、様々なコスプレをした子ども達を見かける。
遠目に写真でみた落下防止機能が付いたブランコや様々なカラフル遊具が見え、程なく白い柵に囲まれた”みんなの広場”についた。
オレンジ色の門扉を開き中に入るとすぐに受付テントがあったが、まだ時間前なので誰もいない。
走り回るコスプレをした子ども達の嬌声と音の出る遊具からの響き、子どもを呼ぶ親達の声、白い柵の外とは違う喧騒に娘はしばし呆然としていた。
すぐ隣りにもテントがあり、arteatreatの旗が翻っている。テントの向こうには大きな布が敷かれ、子ども達が絵の具にまみれていた。

その隣りに何枚もの画用紙が並べられ自由に絵が描けるらしい。
と、その時「COMUGICOさん⁈」と声をかけられた。
arteatreatの方が私達に気づいてくれた。そりゃ気付く、親子三人デザインと色は違えど揃ってCOMUGICOロゴの服を着ていたのだ。アピールするにも程がある。

若干照れながら「いつもお世話になってます」と自己紹介をしていると娘が私の手をするりと抜けて画用紙に向かっていった。
見学会に参加予定の私達はもうあまり時間がない。そもそもアートイベントには申込みをしていない。慌てて娘を取り押えようとすると。
「見学会まで少しお絵描きどうぞ。画用紙の方は空いてるから自由にお絵描きしてください」と言っていただいた。
クーピーペンシルで一生懸命に線を描く娘。
こりゃしばらくここを離れないな。

そう察知した私は、自分一人で見学会のテントに向かった。
受付テント前にはすでに見学者と思しき人達が10人以上集まっている。
「あ、COMUGICOさん!」
見学会を主催するTOKYO PLAYの方が気付いてくれた。COMUGICOのロゴがだいぶ認知されてきて嬉しい。
名刺を渡しご挨拶をすることができた。インターネットでの交流が主体だが、こうして対面するとやはりその人となりに接することが嬉しい。
お絵描きに夢中な娘はムギコ共々、見学会参加は無理だろう。
見学会は走り回る子ども達の間を縫うように園内を左周りに進む。
私は「なぜ柵が必要なのか」という質問を用意していたが実際に来てみて質問するまでもなく必要性を認識した。
走り回る子どもの所在を把握するのはかなり難しく、ましてや複数の子どもを常に視界に捉えておくのは不可能だ。柵が無ければ毎日かなりの数の迷子が発生するだろう。
ゴムチップを集成したプレイエリアとコンクリートの動線、土のままの部分と変化する地面や
色とりどりの遊具の説明を聞いて少し驚いた。
「どうですか?素晴らしいでしょう!」
と自慢めいた説明を受けるのかと内心思っていたが、様々な問題的、改良・是正の必要があり、要望があることを交えながら運用してから気がついた様々な事象について教えてくれたのだ。

コムコム
コムコム
(問題点)
・舗装部分と土の部分の段差について
→車椅子や資格障害者にとっては僅かな段差でも危険。
・柵について
→視覚障害者はぶつかるまで柵の存在がわからないので、手前に白杖でわかる表示が必要。
→全て同色で門扉の位置が分かりづらい。(是正済み。門扉毎に色分けし、集合場所等のアイコンになっている。)
・滑り台について
→途中まではスロープで上がれるが最後に結局段差があり、車椅子では利用できない。
などなど、整備費用の捻出の苦労などもあるという。

ふと園内を見回すと、娘とムギコがブランコの列に並んでいるのが見えた。20人は並んでいるだろう。

人気の遊具については順番待ちや交代のタイミング、回転速度に対する危険性などの問題がある。
ただし、これらの問題は遊具で遊ぶ子ども達が自主的に順番を守ったり、独占しないよう働きかけ、小さい子どもがいる時は回転速度をゆっくりにするよう声を掛け合ったりすることで、子どもの社会性やコミュニケーションの育成に役立つ側面もあるという。
なるほど。どんなに安全性に配慮したとて最後は子ども達自身の遊び方によるのだ。
イレギュラーな使い方やルールを無視した遊び方でケガが発生したといって遊具を片っ端から撤去し、ベンチしか残ってない公園を見たことがある。その公園に子どもの姿は無く「安全性への配慮」という名の大人の保身の末に残った虚無な空間が残されていた。

見学会を終えて思ったのは、インクルーシブ公園を作って終わりではなく是正すべきことを認識し、より良く改善していく姿勢や、見学会などを通じユーザーからの意見を積極的に吸い上げようとする努力にTOKYO PLAYさんの本気を感じ、願わくば成功事例・失敗事例を全国に共有し日本中の公園を素晴らしいものにしてほしいということ。

“みんなの広場”開園に尽力した議員さんも見学会に参加しており、自身の携わった公園に対し継続して積極的に関わっていることに責任感の強さと”みんなの広場”に対する愛を感じた。

散会後は隣接する芝生のエリアで持参したフリスビーでヘトヘトになるまで遊んだ。
何度も「止めよう」と懇願する7倍も歳上の私に、7歳の娘と現地でできた娘の友達はそれを許さず、私は二人の投げるフリスビーを忠実な飼い犬のように走り回ってはキャッチし続けた。

教訓 →フリスビー持参は自殺行為。

コムコム
コムコム
帰り際、初めて一人でブランコに乗った時の写真を発見!!
「みんなのひろば写真集」は 一般社団法人TOKYO PLAY さんの公式サイトよりダウンロードできます

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