コムタクオンラインでも泣く?~ゆたかカレッジ研究論文発表会 本選~


ゆたかカレッジの生徒たちの研究論文発表会の本選に再び審査員として参加させて頂いた。
とても光栄であるとともに重責に身が引き締まる思いである。
今回はzoomウェビナーというツールを用いたオンラインでの開催である。
最近は会社の打ち合わせやプライベートでも頻繁にオンラインを利用しており、参集しなくても参加できるという大きなメリットがある。
反面、発表者は観客の反応を感じにくいというデメリットもあるだろう。
ウェブカメラという無機物に向かって発表するというのは、観客の反応や雰囲気を感じることのないまま発表するということだ。
会場での発表とオンライン。どちらが緊張するのだろうか。

審査はネット上で共有したExcelに審査員が各々点数を入力するとリアルタイムで得点が集計されるシステムであった。
(なるほど。これは効率的だ。)
と感心したが、表情に出してしまうとパソコンやインターネットに明るくないことがバレてしまうので、さも知っていたような顔で司会の方や他の審査員と打ち合わせを続ける。
知ったかぶりをする私をニヤニヤしながらCOMUGICOのIT担当ムギコが見ている。
私はアナログ担当なのだ。しかたあるまい。

今回は各キャンパスの予選を勝ち抜いた総勢28名の猛者たちである。
プログラムにある研究論文のタイトルだけを見ても興味深いものばかりだ。

いよいよ発表が始まった。
会場での発表であれば発表者と視線が合うことなど稀であるし、第三者のスタンスで客観的に発表を観ることになるのだが、オンラインはちょっと違う。
発表者は眼前のカメラに向かって発表しているのだろうが、こちらは真っ直ぐ目を見て話しかけてくれていると錯覚してしまう。
思わず相槌をうったり、つい返事をしてしまう。
それを見てムギコが失笑している。

途中でふと気づいた。

タブレットの向こう側の発表者は打ち負かした他の生徒の屍を踏み越えて、孤独な闘い(本選発表会)にきたのではなかった。

スライドの投影を終えた黒々としたモニターに拍手をする仲間が反射して見えたり、発表を終えた者を労う仲間の言葉をマイクが拾ったりするのを垣間見て悟った。
各キャンパスで惜しくも本選に進めなかった者たちはウェブカメラの画角の外で本選出場の発表者をサポートしている。
予選までのライバルは勝ち進んだ仲間をしっかりとバックアップしているのだ。

大きな会場で沢山の観客を前に一人壇上で発表する予選の時は、皆それぞれ緊張していたようだが今回はなぜか皆リラックスして見えたのはこのためだったのかもしれない。

ひとりぼっちだったのは私の方だったのだ。

私の会社でもオンライン会議がかなり普及している。
スケジュール調整が容易で移動の手間がない。
印刷した資料の束を配布する必要もない。
いい事ずくめで非常に効率的だ。
だが、効率性と引き換えに失ってしまったと感じるものもある。
会議が終わった後の解放感や、久しぶりに会った人との雑談。滅多に行かない場所でのちょっとした非日常感。そうした「余白」部分が無いのを少し残念に感じるのはアナログ人間の性なのだろうか。
タブレットの電源を切ると、途端に現実世界に引き戻される感覚が少し苦手なのだ。
希望に満ちた彼らの未来を想像しながら、素晴らしい発表の余韻にもう少し浸っていたいと思うのだった。
おっさんの戯言はさておき、生徒たちの卒業後の社会参画を考えた場合、オンラインでの発表経験はより実用性のある経験となるだろう。

紙の採点用紙を使用した予選の時は、数字では表せない感想を用紙の余白に一言づつ書かせてもらったが、今回はコメントを残すことができなかったので、このブログ記事の最後にコメントを残したいと思う。

電車でめぐる旅

Y.Yさん

コロナ禍で旅行に行けない中、5分間の小旅行を楽しませてもらいました。楽しい研究でしたね!

SMAP

A.Nさん

名曲揃いですよね。発表中にもノッてましたね!大好きなのが伝わりました。

おいしい蕎麦

Y.Nくん

蕎麦打ちを実践しての発表。素晴らしいです。私はニシン蕎麦が好きです。食べたくなりました!

都電荒川線と東急世田谷線

Y.Sくん

世田谷線はたまに乗ります。電車とバスの中間みたいで面白いですよね!

動物の雑学

R.Tくん

一つ一つの情報をコンパクトにまとめて沢山の雑学を伝えてくれました。あえて掘り下げずに数で勝負する視点、良いと思います!

スヌーピー

S.Sさん

大人になってから解る名言もあって、かわいいキャラクターとのギャップが絶妙ですね。手書きのイラスト素晴らしいです!

私だけのボナパスポート&ステッカー

K.Sくん

盗難防止とオリジナリティの一石二鳥ですね!ナイスアイデア!

G-SHOCK

T.Oくん

最後に自分のG-SHOCKを3つも見せびらかすインパクト!最高でした!

よもぎ

R.Mくん

よもぎの天ぷら美味しそうですね。今度試してみます!

はじめて夢中になったウルトラマン

T.Sくん

私も40年前大好きでした!消しゴム集めたなぁ。マックスも見てみたい!

スタージ・ウェーバー症候群について

N.Sさん

とてもわかりやすい発表でした。「知ること」の大切さ伝わりました!あおぞら共和国いつか行ってみたい場所です!

あべのハルカスができるまで

R.Hくん

何を隠そう私の会社が建てました!エッヘン!まだ行ったことないので、行ってみたくなりました。

戦争の恐ろしさを学ぶ

Y.Hくん

私は被爆三世ですが、ついそれを忘れがちです。若い人に戦争の恐ろしさを伝えていくことは大切ですね!

JYPエンターテイメント

A.Mさん

全く未知の情報なので新鮮でした。大好きなのが伝わりました!

Fashionの歴史について

S.Sくん

大きなテーマを5分にまとめるのは大変だったでしょうね!時代によって流行の拡がり方が違うことに「なるほど」と思いました!

運動をすると人はどう変わるのか

A.Yくん

「運動」って知っているようで実はよくわかっていなかったです。勉強になりました!

よさこい

E.Aさん

よさこい大好きな事がすごく伝わりました!学生の頃に四国で参加したことがあり、懐かしかったです。

パナソニックドラマシアター「水戸黄門」について

R.Tさん

勧善懲悪!気持ちいいですよね。フィクションとノンフィクションを対比していたのも興味深かったです。

高田馬場周辺の美味しい料理

M.Fくん

身近な場所を題材にして実食したレポートがよかったです。気を付けないと太っちゃいますね!

ヨルダン・ハシェミテ王国

S.Tさん

故郷に思いを馳せる気持ちが伝わりました。ペトラ遺跡見てみたい!

プロ野球の球審ジェスチャー

I.Kくん

ユニークな視点!審判達も自分達が研究対象になってるなんて思ってもないと思います。

日本の火山について

S.Oくん

改めて火山大国に住んでいると実感しました。恐さと恩恵両方ありますね。

教育問題について

H.Kさん

誰もが知るマンガを使って、とてもわかりやすく「イジメ」や「体罰」を説明してくれました。優しい教育が大切ですね!

ニートになってしまう原因とその対策

H.Nさん

とても洗練された発表でした。練習の成果でしょうね!自信に満ちてましたね!

最後に今回の研究発表会の開催実施にご尽力下さったカレッジの教職員の方々に心より御礼を申し上げます。
参集できない状況の中、生徒たちのためにあらゆる手段での開催を検討されたと思います。
困難な状況でもやり遂げる「折れない心」を示す姿勢は生徒たちにも伝わっているはずです。
本当にありがとうございました。

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