20250412
今回はユナイテッドシネマ豊洲に Get in touchの映画”まぜこぜ一座殺人事件”を観にきたのだ。
昨年行われた舞台”歌雪姫と七人のこびとーず”に関連した映画だということは事前告知や宣伝フライヤーで知っていたため、是非とも観たかった。
“歌雪姫と七人のこびとーず”で刺さった喉奥の小骨の感触を思い出す。

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豊洲という場所は全く馴染みのない場所であった。地下鉄の出口を出るといわゆるタワマンが
そびえ立ちびっくりするほど整然とした街が存在していた。
人影もまばらであらゆるものに清潔感が漂い、
パース絵の中に迷い込んだような錯覚を起こす。
生活感のない道を少し歩くと大型商業施設ららぽーとがあり、ようやく人影が増えてきた。
この施設の中にユナイテッドシネマがあるようだ。
入口には上映される映画のポスターが並んでおり、”まぜこぜ一座殺人事件”のポスターも貼ってあった。


大きな吹き抜けの脇にあるエスカレーターでユナイテッドシネマのフロアまで上がり、チケットカウンターで携帯に届いたチケット画面を見せて入場券を発行してもらう。
並びにあるフードカウンターでポップコーンのMサイズとコーラを注文し、準備万端だ。
それにしてもポップコーンの量が半端じゃない。Mサイズって、、、。
薄暗い館内に入り、段差に気をつけてながら席を探す。かつて一粒も食べずにポップコーンを盛大にぶち撒けた苦い記憶が蘇る。
座席番号が見つからない。座席が見つからないのではなく、番号の表示が見当たらないのだ。
ようやく見つけたのはしゃがまなければわからない場所にある小さな表示だった。


TVなどで大々的にPRしていないのに客席はほぼ満席だ。上映後の舞台挨拶を楽しみにしているからなのかもしれない。
ブザーが鳴り、いよいよ上映開始だ。
舞台「歌雪姫と7人のこびとーず」終演後からストーリーが始まる。
打ち上げパーティーが行われる最中、楽屋で主演女優の東ちづるさんが殺されてしまう。楽屋は密室。関係者・出演者パーティー会場にいる全員が容疑者だ。
様々な人間模様や関係性を持つ容疑者たち。疑心暗鬼が人の本性(本質)を露わにしていく。
当たり前だが様々な特性や障害を持つ方々も他人を恨んだり、妬んだり、憎んだりするのだ。
パーティーに招かれた3人のプロデューサーが”一般社会”を擬人化して登場しているが、このキャラクターこそ現代社会の本音と建前、様々なことに忖度しなければならない風潮を見事に表していた。
「私はいいと思うけど、、、。」「ウチは賛成なんだけど〇〇がね、、、。」
きっと東ちづるさんが何回となく聞かされてきたセリフなのだろう。
私もCOMUGICOの活動をアピールした際に度々聞いた気がする。
シーンをパーティー会場に限定した閉鎖空間にしたことを映画制作予算の都合と思っていたが、実はそうでない(であろう)ことにハタと気づいた。
このまぜこぜ一座のパーティー会場である事件現場では三人のプロデューサー達の方がマイノリティなのだ。
様々な特性を持つ演者がマジョリティとして存在する、日常と逆転した空間で不安そうに頬を歪め引き攣った笑みを貼り付ける三人。
スクリーンを通してプロデューサー達の気持ちが伝わってくる。舞台には出演のなかった三人の役者さんの演技力も流石だが空間と出演者を限定したことでマイノリティとマジョリティを逆転させる発想に鳥肌が立つ。
障害や特性にフォーカスした映画や番組はなんとなく”マイノリティ=善人、清純無垢”という概念を感じることが多い気がするが、まぜこぜ一座のメンバーは良く言えば人間らしさ、というか悪巧みや陰口、狡賢さ、自己顕示欲など普通の人間が持つ醜い部分を強調しつつイキイキと演じている。
細かいストーリーや結末は本編を観て頂きたい。
この映画では舞台”歌雪姫と7人のこびとーず”で喉に刺さったままの小骨を回収してくれるアンサーがあるのかと密かに期待していたが、残念ながら小骨の存在を再確認させられ、むしろ小骨を追加されたのであった。
きっと全て東ちづるさんの企て通りなのだ。
この小骨が取れる、いや小骨の存在を忘れることができるのは彼女の最終目標であるGet in touch解散が叶った時なのだ。

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