2020年 調布市福祉まつり|福祉を見る!家族で参加しました

12月1日地元調布市の福祉まつりが開催されました。
COMUGICOが一般社団法人になり、名刺も一新し気持ちも新たに福祉のイベントに参加しました。
例年、空気が乾燥して寒くなり始め、インフルエンザ流行のニュースもチラホラ見聞きするこの時期は「なるべく家から出ない。人混みなんてもってのほか!」をスローガンに掲げ、まるで冬眠するクマか、月面基地の住人かのような引きこもり生活をしていました。おかげで娘は体調を酷く崩す事なく過ごしていたのです。
しかしもう、体力がついてきた遊びたい盛りの4歳児。外行きたいと必死のアピールをする娘。
狭い我が家に閉じこもっているわけにもいかず、御守りと化した手ピカジェルを頼みの綱に乾燥した空気と様々なバイキンの蔓延する外界へと一歩を踏み出しました。
自宅から歩いて5分の駅前広場に到着すると、会場にはハンドメイドの作品を展示販売しているテントや、ヤキソバなどの食べ物の販売テントが立ち並んでおり、予想以上にたくさんの人で賑わっています。
ユーズドの衣料品もあちこちで格安で販売しており、文字通り黒山の人だかりです。
「こんなに盛り上がってたんだ」
ちょっと驚きでした。

“福祉”と付いただけで、控えめなイベントと勝手に思い込んでいました。
冬晴れの晴天ですがさすがに12月。
刺すような冷たい空気の中、アツアツの甘酒の誘惑に勝てず、早速購入。
娘はおまつりの雰囲気にはしゃいでいます。
ゆるキャラが何体か会場に出没しており、中でも地元の東山総合病院の”きたみん”がいたく気に入った様子の娘はしばらくまとわりついていました。着ぐるみの表情はニコヤカなのでわかりませんが、中の人はきっと迷惑だったと思います。
沢山の子ども達にじゃれつかれたであろうそのボディはきっと色々なバイキンがいるのでしょうが、我が娘はゲラゲラ笑いながら 顔を押し当てモフモフしています。
妻は絶望と諦めが丁度半分ずつの引きつった表情でその様を見つめています。

特設ステージではダンスやギターの弾き語り、バンド演奏が賑やかに披露されていました。
みんな楽しそうです。
チアダンスのグループがステージで踊りはじめると、娘も満面の笑みでジタバタと体を動かしています。
往年の名曲を弾き語りするおじさんの時も楽しそうにダンスしていました。
きっと、葬儀の読経・木魚のリズムでも踊り出すことでしょう。困ったな。

さて、COMUGICOを知って頂こうと名刺を持って出掛けたものの、隙あらば脱走を企てる娘から目が離せずほとんどご挨拶することができずにいました。
あるテントの前に立派なフラット・コーデット・レトリバーが寝そべっていました。

黒光りする見事な毛並みに賢そうな眼差し、娘の顔がパアッと輝き、一目散に駆け寄ります。
「モミジって言うんですよ」
触っていいよと言われ、娘はおっかなびっくり後脚辺りを撫でています。
そのテントは視覚障害を持つ方の団体のテントでモミジは盲導犬でした。
ご挨拶をし、COMUGICOの名刺を渡すと点字をなぞったその方は
「コムギコ?の小川さんですね」
と点字を読んでくれました。
イベントの真っ最中だったので、ゆっくりお話しはできませんでしたが、妻が敬愛する埼玉のココロスキップさんという就労継続支援B型事業所で入れてもらった点字名刺を実際に目の前で読んでもらえて、なんだか嬉しくなりました。
街中でチョクチョク見かけるようになってきた点字ですが、もっと広がっていけばいいのにと心から思いました。

会場の広場に隣接している福祉センターの建物内でも様々な企画が実施されていました。
スタンプラリーが企画されており、多くの子ども達があちこちのブースを駆け回ってスタンプを集めていました。
ストラックアウトのコーナーや、点字を打てるコーナー、触って楽しむ絵本のブースなど充実したラインナップは運営の方々の努力と工夫が結実していました。

私は、このイベントが”福祉に携わる人達”だけで完結することなく、一般の方々との交わりの機会を意識していると感じました。
漠然と存在している「境界線」を薄めて行くことがこうしたイベントの意義と思うのです。
障がいのある人や支援をする人は特別な存在ではありません。同じ社会で暮らしている同じ市民として、たくさんの人と同じ場所・同じ時間を共有できる素敵なイベントでした。

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