新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言も3回目となる2021年のゴールデンウィーク。
自宅の近所、歩いて5分の近距離に
“NPO法人羽ばたく会 めじろ作業所”が運営するカフェ”Cafe Galleryさえずり”がある。
障がい者の自立支援と社会参加を推進するための活動の場、羽ばたく会・めじろ作業所に併設するカフェです。 めじろ作業所へ通う通所会員さんがさえずりスタッフとして毎日働いています。 耳の不自由なスタッフ・身体障がいのスタッフいろいろな障がいの方がいます。 障がいを持っていても接客・調理の仕事がで...
その存在は数年前から知っていたが、営業時間が平日日中のみなのでなかなかタイミングが合わず行くことができなかった。
今年はゴールデンウィークの狭間に一日ポツンと平日があったので、ダメ元で突撃してみた。
時間は11時を回ったくらいだ。
COMUGICOのパンフレットと名刺を持ち、駅とは逆方向へと歩いた。
5月としては少し暖か過ぎる気温25℃。数分歩いただけで少し汗ばんでしまう。
交差点の角にあるマンションの1階に木製フェンスとちょっとした植栽に囲まれた空間があり、いかにも風通しが良さそうなテラス席が見える。
洒落たフォントで”Cafe Galleryさえずり”のサインがあるグリーンのオーニングテントが微風に揺れている。
初めて入るお店はなんとなく緊張する。
「すみませーん」
店内には数人のお客さんが入っていた。
16席の客席にはまだ余裕があったが、せっかくなのでテラス席に座ることにした。
テラス席は吹き抜ける爽やかな風、木製のテーブルや足元のウッドデッキの質感と相まって、まるで森の木陰のような心地良さだ。
床板は歩道との僅かな段差も小さなスロープで擦り付けられている。
店内入口の間口の広いハンガードアは換気のために開放していた。
スロープや間口の広い扉はバリアフリーのセオリーに準じているのだろう。
注文と会計はレジカウンターで先にするらしい。注文用紙にオーダーを書くのだが、初めてなので少し戸惑ってしまった。
まごつく私に店員さんが、
「口頭で大丈夫ですよ。」
と優しく言ってくれた。私はアイスコーヒーとチキンサンドのセット、妻はアイスカフェオレを注文し、テラス席に戻った。
「いい感じのカフェだね。」
などと話しているとすぐにオーダー品が席に届いた。
「すみません。責任者の方はいらっしゃいますか?」
私が尋ねると、にこやかだった店員さんの表情が一瞬曇る。
不審者を見る眼差しだ。
この瞬間が非常に苦手だ。
「少々お待ちください。」
そう言うと店員さんは店内に戻っていった。ほどなく男性が現れた。やはり少し訝しげな眼差しだ。
私はたどたどしく自己紹介をし、名刺とパンフレットを渡す。
男性はこのカフェの運営母体である”羽ばたく会 めじろ作業所”の施設長の大澤さんであった。
私の拙い説明でCOMUGICOとCOMUGICO+のことをすぐに理解してくれ、不審者の疑いは晴れた。
私には志しを同じくする方々と会うと、先方の都合を考えず、夢中で喋ってしまう悪い癖がある。
今回も台本無しのため、あちこちに飛びがちな話しを延々と話してしまった。聞き上手な大澤さんのせいだ。あと、すぐに人のせいにするのも悪い癖だ。
大澤さんは偶然にも調布市の福祉作業所等連絡会の代表に最近就任したばかりとのこと。
COMUGICOの趣旨に賛同してくれた上に、他の事業所にもご紹介してくださると言ってくれた。
本当にありがたい。ありがたすぎて妻は手を合わせて拝んでいる。
大澤さんを解放し、少し冷めてしまったチキンサンドを頬張る。プレス式のホットサンドは冷めても実に美味しかった。
店内の撮影は来客のいないタイミングを狙っていたが、近所の常連と思われるお客さんが頻繁に来店しており、我々が滞在していた1時間ほどの間にその時は訪れなかった。(全景は撮影できませんでした。)
“Cafe Galleryさえずり”のHPを観てもらえばわかるが、このお店のバリアフリーはお客さんに向けてだけでなく、従業員に対しても行われている。
その一環として聴覚障害を持つ方の接客手法として、注文をオーダー票記入としているのだ。
なるほど!私はなんとなく”バリアフリー”は提供される側のためのモノと言うイメージを持っていたが、サービスする側に対してのバリアフリーも同じだけ大切なのだ。
大澤さんの言葉が蘇る。
「サステナブル(持続可能)な福祉を実現したいのです。」
全く同感であった。
善意に頼り受け身だけの福祉ではいつか破綻してしまう。
福祉による福祉の輪を作り、その輪を一般社会という大きな輪とがっちり繋げたい。
我々COMUGICOの目指すところと一致する大澤さんの思想に、ものすごい勇気をもらった。
ビックリするほど近所に居た力強い味方に巡り会い、ますます奮い立つCOMUGICOなのであった。
灯台下暗し。まだCOMUGICOはローソク程度の灯りかもしれないが、いずれ灯台のように明るく周囲を照らす存在になりたい。
そう思いながらグラスのアイスコーヒーを飲み干した。
身体障がい者の自立生活と社会参加を推進するための活動・訓練の場として、パソコンによる入力訓練、名刺・葉書・チラシ・ポスターなどの版下作成及び印刷、手作り品の作成、販売、喫茶の運営その他の活動を行い、地域社会に貢献し、身体に障がいのある人たちが、地域で自分らしく暮らしていける、障がい者福祉に寄与するこ...
名称 | Cafe Gallery さえずり(かふぇ ぎゃらりー さえずり) |
所在地 | 東京都調布市国領町1-3-1調布セントラルアパート1階 京王線布田駅より徒歩3分 |
TEL | 042-444-8818 |
営業 | 月曜日~金曜日(祝日除く)臨時休業あり 10:30から17:00(ラストオーダー16:45) ※ただいま時間短縮営業となっております。 10:30~16:00まで(ラストオーダー15時30分) |
WEB | 公式サイト |
WEB | さえずり – 布田/カフェ [食べログ] (tabelog.com) |
WEB | さえずり(布田/カフェ) – Retty |
@ cafegallerysaezuri | |
運営 | 羽ばたく会 めじろ作業所 |