雨過天晴!NPO法人SUPLIFE主催|Buddy Walk® Tokyo 2023 for allへ行ってきました

コムコム
コムコム
バディウォークとはダウン症のある人と一緒に歩く、世界的なチャリティーウォーキングイベントです。日本では2012年にNPO法人アクセプションズさんが東京で初めて開催しました。

バディウォークの朝はやはり雨だった。
数日前からこの週末は雨が降る予報であったが、朝カーテンを開けると道路にできた水溜りに無数の波紋が出来ては消えを繰り返している。
天気予報通りであれば気温も上がらない寒い一日になるに違いない。
普段の土曜日であればこの時点で引きこもりを決め込むところだ。
しかし今日は待ちに待ったバディウォーク東京の開催日だ。小雨決行と聞いているが、現時点でそこそこの本降りだ。

いそいそとスマホを立ち上げ、情報収集開始。
中止の場合には朝6時に発表があるはずだった。
どこにも中止のお知らせはない。
その時、スマホにSNSの通知がポップアップされた。
サプライフが現地で絶賛準備中との知らせである。
雨の中、懸命且つ楽しそうに準備するスタッフの姿に昨年に続きお手伝いできないことに申し訳なさを感じた。
この天気だ。参加者が少ないかもしれない。
“よーしここは一丁盛り上げ役として3人分くらいはしゃぐとするか!”
そう心に決め出発準備を急いだ。

会場の代々木公園の最寄り駅、原宿駅は雨天にも関わらずごった返している。人酔いしそうだ。
娘とムギコとはぐれないように気をつけながら改札から外に逃れる。幸い明治神宮側の出口はそれほど人は多くない。
傘を開きホッと一息つく。相変わらず雨は降っている。たまに履く長靴が嬉しい娘は広い歩道にできた水溜りにわざと入っていく。
前日からの雨のおかげで花粉の飛散量は少ないようで快適だ。娘のレインボーカラーの傘が楽しげに動くのを眺めながら会場へと歩を進めた。
会場に入る頃にはだいぶ小降りになってきたが気温はあまり上がらない。夏日だった前日から-10℃くらいの寒暖差だ。
予想に反して会場は賑わっていた。みんな年に一度のバディウォーク東京を楽しみにしていたのだ。特にここ数年の各種イベントは新型コロナウィルスで右往左往しており、ストレスの多い開催ばかりだった。
今日はマスクこそほとんどの人が付けていたが、皆のびのびと楽しんでいる。
あちこちで旧交を暖めたり、初のリアル対面を果たしたりしていた。
我々コムギコーズも久しぶりに会えた方々やSNSで繋がっていた方々、まさかまさかの旧友との邂逅を楽しんだ。
ベビーカーを並べて記念撮影しているグループに数年前の自分達を重ね懐かしい気持ちになる。
本部テントを覗くと設営準備に早朝からフル回転であろう主催のサプライフ代表のミホさんが奥から手を振ってくれた。
毎年積極的にボランティア参加してくれる司会のエレナさんとナナさんにも御挨拶。彼女たちも高校卒業だ。毎年沢山のクラスメイトとともに参加してくれるエレナさんは海外大学へ進学するという。
ボランティアメンバーの平均年齢をぐんと下げていた彼女達は来年も参加してくれるだろうか。
(美熟女達の怒りの視線を感じる・・・。)

ムギコと娘は事前購入したバディウォークオフィシャルTシャツを着用していたがあまりの寒さに上着を脱ぐことができず残念がっている。
コストコさんのテントで雨宿りさせてもらい、朝から何も食べていないムギコと娘はキッチンカーで買った唐揚げとおにぎりをパクついている。
場内のアナウンスで急遽来場できなくなってしまったグループがあることが告げられた。
この天気では仕方あるまい。

とにかく会場を一回りしようと、様々な出店ブースを覗き歩く。
毎回協賛してくださる企業、子ども達が群がるむかし遊びのコーナーやおしゃれなワークショップ。
車椅子バスケの体験コーナーも楽しそうだ。

キャンパス生地のスニーカーが浸水し始めた頃に雨は上がった。
雨に洗われたような空気がなんだか美味い。

キョロキョロしながら進むと人垣の中に”あべけんた”さんを発見した。
ダウン症のイケメン”あべけんた”さんは相変わらずのイケメンぶりを発揮しており、周りにはいつものように人だかりができている。
隙を突いて記念写真をお願いすると快くOKしてくれた。
スマホを構え数枚シャッターを切ると見覚えのある後ろ姿が。
「かしわさーーん!」
反射的に手を振り大きな声で呼んでしまう。
ロックバンド・サルサガムテープのリーダー、かしわ哲さんだ。

呼びかけに気づいたかしわさんは、記念撮影の中に入ってくれた。
やった!”あべけんたさん”と”かしわ哲さん”が同じフレームに入った激レアな記念写真が撮れた。
しかし残念なことにシャッターを押す私は当然一緒に写っていないことに後から気づいた。

今年はサルサガムテープの少人数バージョン、ミニサルサの生ライブがあるのだ。
コロナ禍中はそれまで行ったライブの動画を繰り返し観てなんとか溜飲を下げていた。
娘と踊りまくるつもりで意気込んでいたが、娘はまだロックン・ロールの音圧に慣れていない同い年のお友達と一緒にエスケープしてしまった。
そういえば娘も最初は音にびびって泣いていたっけ。
ライブの始まったステージと遠ざかっていく娘を交互に見ながらアワアワしている私に気付いたムギコが
「私が娘をみてるから、ライブ観てな!しっかり動画撮っといてよ〜」
と珍しく気を利かせてくれた。ありがとう!
短時間のステージに暖機運転のヒマは無いとばかりにノリノリのナンバーで最初から全開だ。
あっという間に聴衆を巻き込んで最後まで大盛り上がりだった。
撮影を義務付けられたため、ど真ん中の最前列を陣取れなかったのが少々残念であったが、、、。

ミホさんの愛娘ひまりんとパラリンピック閉会式でも踊ったダンサーゆうだいさんのコラボダンスを挟み、ステージの締めはみんなで歌って踊ろうの時間だ。
いつの間にかステージ前に戻っていた娘はミホさんの歌声に合わせて上手にパプリカを踊っている。
お馴染みのナンバーとサプライフのテーマ曲「ブドウの実」を歌い上げるサプライフ代表のミホさん。
身体を揺らしながら歌うオーディエンス。
皆が一つになった気がした。

曲名 ブドウの実
楽曲 HOME MADE 家族
WEB 公式サイト
Twitter @ mckuro_1119
NPO法人SUPLIFE

12時から16時という開催時間は正直短いと思ったし、実際あっという間であった。
しかし凝縮された濃い時間であったとも言える。朝から夜まで開催した場合は、午前中で帰ってしまうと午後から参加の人に会えないし、逆もまたしかりだ。
今回多少慌しくはあったが沢山の方々に逢うことができた。後からその出会いを育めばいいのだ。
散会後にも会場のあちこちにグループが塊り、名残惜しむように写真を撮り合っている。
すっかり雨の上がった代々木公園ケヤキ通り広場にとても楽しげな娘の嬌声が響いていた。

関連記事

関連記事

  1. 吉祥寺コレクション2022|tenboのファッションショーを見に行きました

  2. tenbo|平和をテーマにした MERRY SMILE FASHION SHOW

  3. 社会のダイバーシティを考える 立つ、歩く、走る―義足でこえる心の壁

  4. MERRY SMILE SHIBUYA for 2020に行きました

  5. アツすぎるぞ厚木。あつぎごちゃまぜフェス2021

  6. ONE TRIBE代表 MCキイチさんとの「ゆっくりのんびりトーク」