ある日、病気療養中でここぞとばかりにベッドで大好きな漫画を読み耽っている妻から「きいちゃんママの漫画がネットで読めるよ!面白いから読んでみて!」とLINEにメッセージとURLが送られてきた。
送られてきたURLを開くと確かにInstagramで見覚えのあるイラストが目に飛び込んできた。
「きいちゃんはダウン症」
どストレートなナイスネーミングだ。
何かを伝える時はオブラートに包んだり、回りくどい言い回しなど無意味なのだ。
よくあるのが映画の邦題ネーミング。
「氷の微笑」なんて何の話か全然わからない。「殺人女性小説家」でいいと思う。
「天使にラブソングを」の邦題より「シスターアクト」のほうがまだピンとくる。
話しが脱線してしまったがそういうこと。
ネタバレしてはいけないので漫画の中身には触れられないが、ダウン症のある子どもを授かった夫婦のその日常がコミカルに描かれており、時々ホロリとさせる。
障害児育児のあるあるや体験など、これから子育てする親御さんや、真っ最中で奮闘しているご両親にはすごく参考になるかもしれない内容だ。当時を懐かしく思い出す先輩達もいるはずだ。
現在の日本はかつてほどではないにせよ、障害児・者に対して遠慮がちというか、一般社会と別世界のモノというアンタッチャブルな雰囲気がいまだに醸成され続けている。
漫画といういい意味でハードルの低い入口を創った「星きのこ」さん。
ダウン症という比較的ポピュラーな障害をテーマにすることで障害児・者全体に対する世の中の認知をも高めてくれる筈だ。
この貴重な入口を閉ざすことなく、さらに大きく広げてほしい。
リアルコミカルな障害児育児マンガという新たなジャンルに先鞭をつけた「星きのこ」とそれを商業ベースにのせた「小学館デジタル」「めちゃコミック」。
このアクションは大きいと思う。
一般的に”文字だけの書籍のほうが漫画より高尚”とする風潮があるが、100の言葉でも伝えきれない気持ちをたった1コマで伝えることができるマンガは秀逸な表現手法として、もっと評価されるべきだと思う。
1/1000の確率で生まれてくるダウン症児。
ニッチなテーマだと思ったが、よくよく考えるとそうでもないぞ。
本人、両親、きょうだい(×1)、祖父母(×2組)として6/1000の関係者がいる。0.6%だ。
世界の人口60億人×0.006=3,600万人。
友人、知人、医療福祉関係者など含めれば興味を持つ人はゆうに1億人を超えるだろう。
計算には自信がないが、近親関係者などいないはずの”ゴムゴムの実を食べた海賊”や”スーパーサイヤ人”の漫画が大ヒットしていることを鑑みても「きいちゃんはダウン症」がヒットしないわけがないではないか。
まだ3話目までしか読んでいない(リリースされていない)が、サザエさんやアンパンマンのように超長寿作品になる予感がしてきた。
電子書籍やインターネット全盛の今こそ、世界に誇る”クールジャパン”であるMANGAとして世界中に広まってほしい作品である。
アニメ化や映画化も楽しみだ。
映画の名前はもちろん「きいちゃんはダウン症」「Ki-chan has Down Syndrome」以外は認めない。
著者 | 星きのこ |
出版社 | 小学館 |
めちゃコミ | きいちゃんはダウン症 |
WEB | 公式サイト |
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