個性的なアートのお店「マジェルカ」に行きました

マジェルカは全国の福祉施設で障がいのある方々が作る素敵な雑貨を集めたセレクトショップです。

2020年1月某日
年始らしい冷たい空気であったが、日差しの心地良い午後、以前から行きたいと思っていた”マジェルカ”に向かった。
COMUGICOがマジェルカに掲載を打診したのは、COMUGICOが正式に運営を始める前の2019年6月下旬のことだ。
とあるママさんから「こんなステキな雑貨屋さんがあるよ」とHPを紹介されたのだ。
運用直前でまだそれ程紹介ページがなかったCOMUGICOだが、メールでの掲載オファーに対し快く掲載を許諾してもらい、すごく嬉しかったことを覚えている。

賑わう吉祥寺の駅前を抜け、駅から少し西へ離れたところに中道通りがある。ウラ原ならぬウラ吉的な風情の通りだ。個性的な雑貨店や洋服屋、飲食店が立ち並ぶ中道通りを進み、
「あれ、道を間違えたかな?」
と少し不安になって地図を確認しようと思った頃、目印のコンビニエンスストアが目に入った。
HPを見て想像した通りのステキなお店だった。
“HPを見て想像した通り”←コレ大事。
HPのメニューを期待して忘年会を予約した居酒屋は幹事の私が責め倒されるほど期待ハズレだったり、HPで大絶賛されている映画を観た後で「時間とお金を返して下さい」と映画館の人に泣きつきたくなるなど、HPの情報と現実の乖離が多々ある昨今、これだけ実店舗とHPのイメージがピタリと一致してるショップもなかなかない。
これは”マジェルカ”の運営方針がブレることなくビシッと決まっているからだと思う。

「ウェルフェアトレード」
この言葉は「ウェルフェア(福祉)」+「フェアトレード(公正な取引)」に由来するマジェルカによる造語だ。
障がいを持つ人達が、作業所で作ったモノは一般的な販路に乗って流通することはなく、福祉施設の一画や福祉イベントなどで細々と売られていることが多い。
そして作業所でモノを作った人達が受け取る賃金は微々たる金額(月額15,000程度)である。
とてもフェアトレードといえる状況ではない。
商品というモノは売る環境によって同じモノが10円にも1,000円にもなる。
節電の為、照度を落とした薄暗い建物の一画の折り畳み机の上に無造作に置かれていれば、シャネルやエルメスのバッグと言えどもきっと見向きされないのではなかろうか。
明るいマジェルカの店内にはステキな図柄やデザインの商品が、素朴ながらも清潔感とセンスあるレイアウトで並んでいる。

残念ながら私はアートのセンスがあるわけでなく、ファッションにそれ程興味があるわけでもない。
そんな私でもマジェルカに並んでる商品は大部分が”好き”側に針が振れる。誰が作ったのかは関係なく普通に購買意欲を誘う商品達。

「お客さんが居なくなったらご挨拶しよう」
と思ったが、ひっきりなしに来客がありなかなかタイミングがない。
少しレジが空いた時に、素早くCOMUGICOのパンフレットと名刺を差し出した。
名乗ったものの対応してくださった代表の藤本さんはキョトンとしている。
そりゃそうだ。半年以上前にメールを1度やり取りしただけで、アポイントも取らずに営業中の店に押し掛けたのだ。
叩き出されてもおかしくない。
訪問の趣旨を伝え、
「写真を撮って、COMUGICOのブログに上げてもいいですか?」
と聞くと、
「どうぞ。でもお客さんは撮らないでね。」
とのこと。
写真撮影の許可を得たものの広いとは言えない店内には常に来店客がおり、撮影に苦慮する程だった。
撮影を終えいよいよショッピングだ。

夏場にHPで目を付けていた”ロボットTシャツ”を購入しようと店内を物色したが、見当たらない。やはり売り切れてしまったか。残念。
「ロボットTシャツ無くなっちゃいましたね。。。」
と肩を落としていると、感じのいい店員さんが「夏物だから倉庫にあるかもしれません。見てきますね。」と探しに行ってくれた。

「ありましたよー。」
「やったー!ロボT GET!」

万年金欠の私達には欲しいモノ全ては買えなかった。でもロボTは購入できた。
“欲しいモノを買う”ただそれだけのこと。
たまに福祉イベントの作品展を覗くが、ステキな作品を目にしても「いいな、イカス!ステキだな」で終わってしまう。作品が商品になっていないから購入できないのだ。

全部で4体あったプロレスラー。次回行くときにあったら大人買いしたい!!!

マジェルカがこうした”作品”を”商品”にし、一般的な販路にのせ、ビジネスとしていることに「障がい者を食い物にして云々」などとのたまう偽善者達もいるだろう。アホか。
こういう偽善者が考える”かわいそうな福祉”「障がいを持つ人達が一生懸命に作ったモノだから買ってあげる。」「福祉は無償で自己犠牲が当たり前、見返りを求めるなんてトンデモナイ。」日本における福祉停滞の原因は根底にこのような考えが根付いているからではなかろうか。
マジェルカのようなお店がスペシャルニーズのある子どもや保護者にどれほど希望をもたらすだろうか。

マジェルカは福祉事業所と一般社会のクロスオーバーを見事に実現させ継続している。
2020オリパラ東京開催で世の中盛り上がっており、SDGsの旗印に障がい者に優しい社会、インクルーシブな社会をと謳っている。
この風潮は大歓迎だが、大切なのは継続していくこと。一過性のブームで終わってしまってはダメなのだ。
マジェルカはブーム以前の2011年から継続して営業しているのだ。
そしてこれからもスペシャルニーズの明るい未来を垣間見せ続けてくれるだろう。
不肖COMUGICOも勝手に後に続きます。

名称 株式会社マジェルカ
所在地 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-11 中田ビル1F 営業時間 11:00~19:00(不定休)
WEB マジェルカ 公式サイト
WEB マジェルカ レンタルスペース詳細ページ
WEB マジェルカ オンラインショップ
Instagram @ majerca
Facebook @ majerca
Twitter @ majerca

吉祥寺駅から徒歩8分マジェルカの場所はここです

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