極度の人見知りのムギコにも友人がいる。
類は友を呼ぶのだろうか変わり者が多い。
COMUGICO発足以前、リオのブログからの繋がりの「カナッペ」と「たみやん」も数少ないムギコの友人達である。
2020年のある日、LINEでおしゃべりをしていた三人の中で、2021年3月21日がなんだか特別な日”ミラクルな日”ということになったらしい。
ダウン症あるあるだが、21と3という数字に異常に敏感なのだ。
熟女三人がLINE通話で女子小学生のように盛り上がっている。
「なにかしようよ!なにかするべきだわ!」
深夜のテンションでそれぞれハイになっている。まるでコックリさんで盛り上がる小学4年女子のテンションだ。
トバッチリが来ないように息を潜め、極力動きを止める。
その後、度々の打ち合わせの後絵本を発行することになった。
ストーリーはカナッペ担当、総監督たみやん、ムギコが作画プロデュース・編集の役割分担らしい。
カナッペはチームたけのこというダウン症児の親の会を主催している。
ハンドメイドのイベントがアットホームな雰囲気満点の親の会だ。穏やかに助手の旦那をコントロールしながら様々なオリジナリティ溢れるイベントを行っている。
カナッペの頭の中は想像力が溢れ、常に渋滞しているようだ。
たみやんは「てぃだかんかん」というダウン症児の親の会のBOSSである。
沖縄の素晴らしい環境で暮らしているが、喋ると何故か関西弁で距離感をあっという間に縮め人見知りする隙を与えない。
ワンパク2人を育児中だからか何物にも動じない風格が漂っている。
ご存じムギコは引っ込み思案で内向的。
なかなか個性的な面々がこうも仲良く語らっているのも面白い。
共通点はガサツなところと陰口をしないところくらいだ。あ、ダウン症児を育児中なのもか。
ストーリーやページレイアウトについてケンケンガクガク言い合いながら連日深夜まで打ち合わせが続く。
幸い私は蚊帳の外で全くタッチさせてもらえずホッとする反面、若干の疎外感を感じながらキャッキャとはしゃぐ三人の会話を聞くともなく聞いていた。
ストーリーはミラポンというUMA(未確認生物)が通過儀礼の旅に出て、他の様々な奇妙な生物との交流の中で「多様性」を学び成長していく物語だ。
絵についてはムギコの古くからの知り合いのプロのイラストレーターが文句なしの絵を描いてくれた。
印刷代と送料をギリギリペイする販売価格を設定し、丁度一年前2021年3月21日に少量限定販売した。
「互いの違いを認めよう!」「多様性を認めあいましょう!」などのストレートな言葉は出てこないが、単純な冒険譚のなかにそのメッセージが隠れていてサブリミナルのように深層心理に働きかけてくる。
遊び心でページのあちこちに21や3といった21トリソミー(ダウン症)に縁のある数字や模様が散りばめてあったり、それぞれの活動団体のイメージキャラクターがちゃっかり登場していたりして楽しんで作り上げた感が満載である。
発行から一年、紙媒体での再版はもうしないがステキな絵本をみんなに知ってもらいたいとの三人の思いが一致し、この度一年越しにデータでの公開をすることになった。
少女のノリとおばさまの行動力で作り上げた「みらぽんの大冒険」是非ご覧ください!
みらぽん | @mirakuru2121 |
たみやん | @ 21tidakan |
かなっぺ | @ takenoko21.chibaken |
ムギコ | @ rio.fas |