こんにちはコムタクです。
先日、家族で「キッズフェスタ2021 子どもの福祉用具展」に行きました。
イベント概要
「子どもの福祉用具展 キッズフェスタ2021」とはその名の通り、子ども向け福祉用具の展示会です。車いすをはじめ、子ども向けのサポート製品やグッズなど沢山の企業、団体が出展されている展示販売会です。 |
イベント名 | 第20回キッズフェスタ 子どもの福祉用具展-アンダー18 |
日程 | 4/10 (土)10:00~17:00 4/11 (日)10:00~16:00 |
場所 | 東京流通センター 第一展示場 |
出展一覧 | オンライン・展示会出展品目一覧はこちら |
主催 | S. P. ビームス株式会社 |
WEB | 公式サイト |
@ kidsfesta_handicapchildren | |
後援 | 社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会 特定非営利活動法人 日本障害者協議会(JD) スウェーデン大使館 デンマーク大使館 公益社団法人 東京都理学療法士協会 株式会社 東京流通センター 社会福祉法人 東京コロニー |
協力 | 工房 株式会社NNC日本ナースセンター 福祉用具販売店 NPO法人Ubdobe |
2021年4月11日
晴天の日曜日は久しぶりだ。天気予報によると4週間ぶりらしい。
新型コロナがの第4波が取り沙汰され、週明けには”蔓延防止対策”なる制限がかかる。
キッズフェスタへの参加を一瞬ためらったがレンタカーを使い、感染リスクを最小限にして参加することにした。
マイカーを持たない我が家では、稀にレンタカーを使う。ドライブ好きな娘は大はしゃぎだ。
東京都在住だが会場のある大田区の湾岸地区には全く土地勘がないので、カーナビが頼りなのだが、娘の歓喜の叫びでカーナビの音声は全く聞こえない。曲がりくねりながら分岐と合流を繰り返す首都高では視線をモニターに向ける余裕はなかなかない。やっとの思いでモニターを見ても日光が反射してよく見えない。
ご機嫌でゲゲゲの鬼太郎を絶唱する後部座席の娘に黙れとも言えず、苦笑しながらカンを頼りにどうにか会場の”東京流通センター”に辿り着いた。
入り口がわからず、右往左往してしまうことを予想していたが、会場近くになると黄色の目立つ看板と所々に配置された誘導員の方々のおかげですんなりと駐車場に入ることができた。
付近の閑散とした風景の中に建つ機能優先の殺風景な建物が会場だ。
まあ建物を見に来たわけじゃないが、久しぶりの晴天をこの中で過ごすのは正直もったいないなと思った。
大きな立体駐車場は1階2階が満車で、3階にようやく一台分の空きスペースを見つけた。駐車場の車室は非常に狭く小型車でもドアの開閉がままならないほどだ。車椅子で来場する人達は別の場所で乗り降りするのだろうか。
駐車場内で少しだけ迷った後、会場へ渡る連絡通路をなんとか発見した。
薄暗い立体駐車場から連絡通路を通り検温、手指消毒をし簡単なアンケートを記入した後、入場パスを渡され会場に入る。
ミッション
出展者さんとの対面
今回キッズフェスタに参加したのはCOMUGICOで紹介させて頂いている方々へ対面してご挨拶したかったのと、まだお会いできていない方々へCOMUGICOを知っていただきたいとの思いがあったからだ。
親子揃ってコムTを着用したのもそのためだ。
“meetme.egao”こと水戸川さんの主催する “ブルーナ バリアフリー プロジェクト”さんは可愛らしいイラストをモチーフにした様々なグッズを販売している。
ハンディキャップのあるお子さんを少しでも快適にしてあげたいとの思いと細やかな配慮が詰まった衣服や小物が並ぶ“ぷるちーの”さんのブース。
その隣りでは“palette ibu.®(パレットイブ)”さんが機能一辺倒になりがちなケア用品をカワイイ・カッコイイおしゃれアイテムへと昇華させた様々なグッズを並べていた。
出店ブースは補装具や衣料品だけではない。
“東京都理学療法士協会”さんは工夫を凝らした様々なアイデアグッズを展示しており、ブースは終始賑わっていた。”装置”好きなパパ達がスタッフの方を質問責めにしている横で、タブレットで操作できる動くオモチャに食い付いた娘を引き剥がすのに一苦労だった。
会いたかったゆめ工房さん
COMUGICOの活動を始めたばかりの2019年5月時から掲載させて頂いている京都を拠点とする”ゆめ工房”さんと、2020年小児リハビリ界に彗星のごとく現れた”かめきち”さん。この御二方にお会いするのも重要なミッションだった。
会場はコロナ禍で若干縮小したというが結構な広さで来場者も多く、どこのブースもひっきりなしに接客中でなかなか挨拶のタイミングがない。
首から下げた大きめの入場パスでコムTのロゴも隠れがちで、最初のミッションは早くも失敗の予感がしてきた。
だが、不思議と失望感は全くない。
なぜならこんなに沢山の方々が、障がいのある子ども達のために様々な創意工夫を凝らした補装具や衣料、用品に携わってくれていることが嬉しかったからだ。特に子供用車椅子や座位保持用品がこんなに沢山種類があるなんて全く知らなかった。
様々な形、色、特色が選択できるのはユーザーにとってとても大きいメリットだ。
長時間をその上で過ごす子どもにとっては少しの違和感でも大きな苦痛になるだろう。
一つの会場で沢山のものを同時に試乗し、比較検討できることはすごく大切なことだ。
などと考えていたとき、”ゆめ工房”の益川さんからメッセージが届いた。「入って右の奥にいます」
オンラインで何度かお話ししたことはあるのだが、我が家の脆弱な Wi-Fi環境のためじっくり語り合うことはできなかった。
SNSでその尊敬すべき活動と人柄を知っていたので生でお会いするのはすごく緊張した。
キョロキョロと付近を歩いていると、少し離れたところから大きく手を振っている人がいた。
マスクで顔の大半は隠れているが、間違いなく益川さんだ。トレードマークのメガネですぐにわかる。
こちらも3人揃ってコムTを着ていたためか、あっさり見つけてもらうことができた。
挨拶もそこそこに娘の歩行状況を見てもらう。
会場をテクテク歩く娘の歩行を見る益川さんの目は鋭い。デューク東郷のようなプロフェッショナルの目だ。
続いて足を直接見てもらう。
慣れない場所で不安そうな娘だったが、不思議と益川さんの指示に大人しくしたがって椅子に座る。
流石にプロフェッショナルだ。靴下を脱がせ足を見るなり、指が短い・踵が小さい・爪にスジがある・・・と娘の足の特徴を教えてくれた。
他のダウン症児の足を見る機会などないので、多くの子どもの足を見続けている専門家ならではの指摘とアドバイスはとても新鮮だった。
普段、私が爪を切ろうと娘の足を触ると間違いなく顔面キックが襲ってくるので、益川さんのメガネが砕かれやしないかとヒヤヒヤしていたが、娘は全く抵抗する気配は無かった。こいつちゃんと相手を選んでいやがる。
小児用補装具専門『ゆめ工房』は、補装具(義肢、装具、車椅子、バギーなど)を必要とする子どもたちのための工房です。 子どもたちのゆめ、ご家族のゆめ、みなさんのゆめ“を叶えるものづくりを目指しています。 ダウン症用足底装具《たっちあっぷ21》や、オンデマンドを活用したクリエイティブな補装具を製作...
その後益川さんは知り合いの各ブースに我々を案内し、COMUGICOの紹介と顔つなぎをしてくださった。
お揃いTシャツの珍妙な三人組は益川さんの紹介のおかげで多くの出店者さん達に話を聞いてもらうことができたのだった。
益川さんは土日ともに参加という。
関西(京都)を拠点に活動しているため、泊まり掛けでの東京出張だ。
実にアグレッシブでパワフルでポジティブだ。
補装具屋さんではあるが、その活動は枠にとらわれず様々なことに果敢に挑戦する、まさに”子どものみかた”なのだ。
COMUGICOもあるプロジェクトの一つに微力ながらお手伝いさせてもらっているのが誇らしい。
プロジェクトの内容はまだヒ・ミ・ツ。
乞うご期待!
お昼になり、食事の為か少しすいてきた会場を再度巡回する。
来客の合間を縫ってなんとか挨拶をし、さらに会場をぐるぐる回っていると、とあるブースの方が「昨日同じTシャツの激カワな双子ちゃんが来ましたよ。」と声を掛けてくれた。
おお!嬉しい!アンバサダー様ありがとう!
私のようなオヤジがコムTを着てもイメージダウンにしかならないが、かわいこちゃん達が着てくれたら何よりのイメージアップだ。
こどもリハビリかめきち
会場をもう一巡しようと歩いていると背後から「コムギコさん?」
と声が聞こえた。
かめきちさんだ!パッと振り返るがそこにかめきちさんはいない。
あれっ?空耳かな?
そこには、メガネが知的な印象のセミロングのヘアスタイル。ロングスカートとアースカラーのカーディガンでコーディネートされたフェミニンな見ず知らずの女性が居るだけだ。
「コムギコさん。こんにちは!」
空耳ではなかった。
辺りを見回すが、他に人は居ない。
マスクで表情はわからないが、声は間違いなくかめきちさんだ。
ジャージかスウェットで、髪の毛は後ろで一つ結びのかめきちさんがインプットされた私の頭脳が一瞬バグる。
「こ、こんちわ!」
コムギコ全員だけでなく、ゆめ工房さんもバグったに違いない。
カメキチストの妻が飛び跳ねた。
最初に”かめきち”さんの名を聞いた時は、”亀山 吉次郎”的な高齢男性を想像してしまい、実物とのギャップに驚いたが、今回もまたこちらの想像の裏をかいてきた。
恐るべしかめきち。
適応力の衰えた我々の頭はすっかり混乱してしまった。少し手加減してほしい。
そんな我々を尻目に「リオちゃん!会いたかった〜!」とかめきちさんは娘を抱き上げた。
かめきちさんの服に娘の涎が付きそうだったが、妻が電光石火の速さで娘の口元を拭う。
「ちょっと一回りしてきまーす」
かめきちさんはロングスカートを軽やかに翻し、颯爽と会場の中心に向かって行った。
日本一リアルタイムに相談できる小児PT かめきち です。 ハイハイしない、歩き出さない、育児通りに発達していない、検診で低緊張と言われ、反り返ってしまう、離乳食を食べてくれない… もしかして発達障害? 病院に行っても「様子を見ましょう」で終わってしまい、リハビリがなかなか受けられないお...
"日本一リアルタイムに相談できる小児PT" かめきちのキャッチフレーズだ。 リハビリには大きく分けて三種類に分類されている。 理学療法士 PT(Physical Therapy) 運動・温熱・電気・水・光線などの物理的手段で運動機能の維持・改善を図る 作業療法士 OT(Occupa...
フィジカル セラピスト(PT)のかめきちさんは、より良いセラピーやリハビリを提供するために最新の補装具をリサーチしにきたのだ。邪魔しちゃいけない。
「ご、ごゆっくり!いってらっしゃーい」
KO寸前のチーム昭和はゴングに救われたかたちだった。
親の動揺を感じとったのか、娘もやや硬い表情でバイバイしている。
しばし呆然としていたが、気を取り直しフラつく足取りで会場をゆっくりもう一巡りした。
再度、益川さんとかめきちさんと合流し近況などをお話しした後、皆で記念写真を撮り京都へ帰る益川さんを見送った。
昼食抜きで回遊魚のように会場をぐるぐる回った我々もだいぶ腹ペコだ。
後ろ髪を引かれる思いだったが我々も退散することにした。
時間はもう夕方近かったが、外は来た時と同じ晴天だ。
カラリと晴れた日曜日に屋内のイベントは、なんだかもったいないな。などという気持ちはもう微塵もなかった。
全てのミッションをコンプリートでき、SNSでしか会えてなかったヒーロー達と会えた達成感で完全に満たされた気持ちだった。
外の晴天にも勝る会場の明るい空気感。それは天井のLED照明のおかげではなく、参加者が皆笑顔だったからだと思うのだ。
全員マスク着用であったが笑顔だったと断言できる。”目は口ほどに物を言う”のだ。
沢山の出店者さんと出会えて、益々パワーをチャージしたCOMUGICOだった。
本音を言えば、来場しているお客さんとも触れ合い、COMUGICOを通じて素晴らしい支援活動をしている方々を知り繋がってほしいと思った。
そしていつかキッズフェスタのような有意義なイベントを開催してみたい。
我々にとってはそんな新たな目標を示してくれるキッズフェスタであった。
全員マスクをつけたままの記念写真を眺めながら心地良い疲労感の中、「鼻毛抜く必要のなかったなぁ」などと思いつつ、刺激的な一日を振り返るのだった。
展示会の様子
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