COMUGICOの活動で特に喜びを感じる瞬間の一つに、掲載させて頂いている方から他の団体を紹介して頂いたときだ。
COMUGICOの活動に一定の評価を頂いて、支援活動の輪を広げる価値を感じてもらえた実感がある瞬間でもあり、ステキな活動をされている方と知り合うチャンスでもある。
エムズコドモシッティングさんも医療福祉法人稲生会さんよりご紹介して頂いた。
代表の青木さんはCOMUGICO掲載を快諾してくださり、一年前に作成した冊子「知ってもらいたい家族がいる」の残り少ない貴重なストックを送付してくださった。
自宅に届いた冊子は想像していたよりだいぶ立派な冊子であった。
サイズはA5版。青木さんがいうように、「ふとした時にサッと手に取ってみる。」のにピッタリのサイズである。
思いをカタチにする大変さはグッズやパンフレットを作るときに常々感じている。
ほんの数ページのパンフレットを作成するだけでも大変であった。伝えたい気持ちを内容にリンクさせてつつ、見栄えよくレイアウトを考えなければならない。
COMUGICOの場合はムギコが孤軍奮闘、耳から煙を上げながら作成したモノに私がケチをつけてブラッシュアップするスタイルが定着しつつある。よく考えたら大変なのはムギコだけかもしれないが。
プロローグをめくると、目次には不安やネガティブなワードが並んでいてちょっとショックを受ける。
見開き右側の笑顔の少女の写真とワードのギャップに戸惑いながらページをさらにめくる。
写真とともに6組の母子が其々の障がいと我が子への想い、自分の感情が記されている。
モノクロームを織り混ぜた柔らかいフォーカスの写真はマットな紙質と相まって優しい空気感を醸している。母親の網膜に映る映像を再現しているのだろうか。
写真に関してドシロウトの感想なので見当外れかもしれないが、そう感じた。
写真とともに綴られたストーリーは各々の母親の視点・言葉で語られている。
物語の起承転結は様々だが、共通するのは(起)の部分はネガティブな感情であり、(結)は今、幸せな気持ちで前を向いていることだ。
この「今」どうあるかが一番大切なのだと私は思う。「今」は次の瞬間には「過去」になり、「今」はちょっと前の未来なのだ。当たり前か。
だから常に「今」を幸せに過ごすことができれば、今後ずっと幸せでいることができると思う。
後半には作業療法士の青木さんによる感覚遊びの手解きがわかりやすいイラスト付きで解説されていてとても参考になる。
我が家でも早速やってみたが、娘は大喜びだった。何度も”魔法のじゅうたん”や”ゆらゆらハンモック”をせがまれ、運動不足の私はヘトヘトになってしまった。
エピローグで青木さんは「知ってもらいたい家族がいる」について2つの思いがあると言っている。
1つは現在障がいを持つ子どもを育てる母親がストーリーに自身を重ねて自己肯定感を持つため。「(障がいを持つ子どもを育てているあなたに) 知ってもらいたい家族がいる」ということ。
もう1つは「(世の中の全ての人に)知ってもらいたい家族がいる」ということ。
障がいを持つ子どもの親として時折なんとも言えない微妙な気持ちになってしまうことがある。
障がい児・者やその家族は「幸せである」と声高に言い続けなければ、すぐ「不幸せ」のレッテルを貼られてしまうような強迫観念があり、
我が家も例外ではない。
“かわいそう”と思ってほしいんじゃない。
“がんばれ”と応援してほしいんじゃない。
“すごいえらいね”と褒めてほしいんじゃない。
障がいがある=不幸せではない。
そんな当事者には当たり前のことを、ただ”知ってもらいたい。”のだ。
丁度一年前に無料配布された「知ってもらいたい家族がいる」。
これによって多くの人々が影響を受けたに違いない。
我々COMUGICOもより多くの方々に「知ってもらう」ために繋がりを大切に活動していきます。
「知ってもらいたい家族がいる」発行1周年おめでとうございます。