ハロウィン仮装でまごじばフードパントリー|東京都調布市 國領神社

フードパントリーをご存知だろうか。
食べきれない贈答品や賞味期限が近かったり、パッケージの印刷ミスなどにより一般に流通させられない食料品を必要な方々に再分配するシステムだ。
私の出入りしている調布市市民活動センターにもボックスが常設されていて、誰でもいつでも食品を提供できるようになっている。
「飽食の時代」と言われて久しく、それが当たり前になっている現在でも食べることに困っている人はいるのだ。
ただ「貧困」の線引きは難しく、プライバシーの問題もあり誰を対象として行うのか明確にしにくいのが現実だ。
これは「子ども食堂」にも言える。

前回記事を書いた”まごじば”がひとつの答えを出してくれた。
「対象なんて決めなくていーじゃん。みんなが集まってコミニュケーション取れる場が作れれば、いろんな問題を解決するきっかけになるし、ついでにお腹が膨れればいいじゃない。」

“まごじば”代表のマイさんにフードパントリーのお手伝いを約束していたムギコは当日のハロウィン仮装に頭を悩ませていた。
「どんな仮装がいいかなー?」
「青い服着ていけば。ドラえもんに見えるよ。」
そう答えるとすごく恐い顔で睨まれた。

前日の夜、マイさんから体調不良で参加できないのであとはヨロシクとのメールが届いた。
マジですか。
子どものインフルエンザを頂戴したらしい。
残念だが仕方ない。
しかも連絡の行き違いで会場が他のお祭りとダブルブッキングになったという。
色々不安だが”まごじば”らしい気もする。

赤白ボーダーのロンTでウォーリーになりすましたムギコが一足先に自転車で開催場所である国領神社に向かい、私と娘は徒歩で後を追う。秋晴れの天気で20分ほどのウォーキングには気温も丁度いい。
娘は魔女コスプレのマントを翻しながら楽しそうに歩いている。
私はジーンズに黒いライダースジャケットでjoey ramoneの仮装だ。抗がん剤治療中にムギコが購入したロン毛のウィッグを着用すれば本物と変わらぬクオリティだ。体型以外は。

国領神社に近づくにつれハロウィンの仮装をした子どもたちが目につき、神社の方から音楽が聴こえてくる。
パントリーはお昼からだが、午前中から始まっているお祭りでは特設ステージでミュージシャンやお笑い芸人が出演しており、普段静かな境内は随分と賑やかだ。社務所の側がパントリーのスペースらしい。
わたあめや焼きそばの出店には仮装した子どもが列を作っている。
神社なのにハロウィンOKというおおらかな国領神社がますます好きになった。

一見カタギには見えない子ども会の会長

一見カタギには見えない子ども会の会長が事前に袋詰めなどの準備をしていてくれたので、テーブルの設置と食料品の配布くらいで大した仕事はない。

ムギコが事前に申し込みのあった人の名前を確認し、娘が袋に入った食品とバナナを手渡す。
“仕事”をする使命感で張り切る娘。

「ありがとう」と言ってもらえるのが嬉しい娘はニコニコしながら「あい!どぞー!」と袋詰めした食品を手渡している。
1時間ほどで配布が終わり、ご褒美にもらった焼きそばやソーセージをパクパクと食べる娘を見ながら、お祭りとのダブルブッキングはむしろ正解だったと感じた。

備品を片付けながら反社っぽい子ども会の会長と今後のイベント企画について色々話していると、すごくワクワクしている自分に気がつく。
見ると会長も目をキラキラさせている。
どうやら2人とも”まごじば箘”に感染してしまったようだ。

後日、副籍交流先の普通小学校でたくさんの子どもたちが目をキラキラさせて「リオちゃん、こないだ国領神社にいたよねー!」「子ども食堂にも来てたでしょ」「バナナすごくおいしくてその日に全部食べちゃった」と娘に話しかけてくれ、支援学校に通学している娘が地元の同級生に認知してもらうきっかけになったことを実感できたことがとても嬉しかった。

“まごじば箘”の感染者がパンデミックな広がりをみせる予感がしてならない。

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