こんばんは。コムタクです。
知的障がい・自閉症のある方たちが、一生懸命学びながら生きるための力を培っている日々の作業学習の成果として、さまざまな手作り作品を展示し、多くの方に障害児・者福祉への理解と関心を持ってもらうことを目的としている作品展
「わたしたちが創る展」
私がこのイベントを知ったのは実は全くの偶然でした。
以前迷路のような東京駅の地下で半ば迷子になっていた時、たまたま通りかかった前回の「わたしたちが創る展」で障がいのある方々の作品の独特な雰囲気や個性に目を奪われ、パネル展示された制作風景、学園の子どもたちの笑顔や真剣な表情に感激し、思わず運営スタッフの方に声を掛けてしまったのです。
「スミマセン、、、」
「はい?」
イベントの真っ最中にアポイントも取らずに声を掛けるのは非常識かな?と理性を司る部分の脳味噌が判断する前に、大脳旧皮質(本能の部分)が発声を促しました。
しどろもどろでCOMUGICOのことを伝え、是非「鉄道弘済会」や「弘済学園」のことを紹介させてほしいとお願いしたのです。
担当の方は組織の了解を得る必要があるため、即答はできない旨を申し訳なさそうにおっしゃって、法人内で検討するために働きかけると言って頂きました。
その時は名刺とたまたま持っていたパンフレットをお渡しして退散しました。
“鉄道弘済会“は1932年に旧国鉄職員の労働災害被災者やその家族の救済・援助を目的に発足し、やがて一般にも広く門戸を開き、その支援を広げています。
鉄道弘済会は、1932年(昭和7年)鉄道に従事し、殉職した職員の遺族や身体に障害を負った職員を救済・援護する目的で福祉団体として設立して以来、長年にわたり社会の福祉ニーズに幅広く応える事業を展開してきました。 総合福祉センター「弘済学園」は、知的障害・自閉症児者を対象に障害児者が安心できる生活...
そして現在は支援を必要とする幼児から児童、成人へと連続した切れ目のない支援活動を行っています。
また、義肢装具サポートセンターも連携しており、装具製作からリハビリまで支援しています。
当センターは、義肢・装具の製作をおこなう工場と診療所を併設しており、製作から義足歩行獲得までを同一建物内で提供する民間で唯一のリハビリテーション施設として運営しています。 更に、切断障がいのある方々のQOL向上を図るため研究開発にも積極的に取り組んでいます。また、障がい者スポーツの裾野を広げること...
優生思想が正義とされていた時代から現在に至るまで、一貫して支援を必要とする方々をサポートしてきた同会。
必要とされている支援の枝を時代と共に広げていったその活動をもっと広く知って欲しいと強く思ったのです。
80年以上も活動を続けている老舗とも言える団体は今更COMUGICOに掲載することにメリットを感じないかな。でも是非紹介したいなぁと思っていた時、今回の「わたしたちが創る展」の案内が届いたのです。
私の勤務先の事務所は東京駅の丸の内にあります。
会社に所属し、一定の基準によりお給料を貰っている私は一年間の業務を測られ、年間の目標達成度や来年の目標を設定する面談が年間三回あります。
普段は都下の田舎で仕事や生活を完結していますが、上司面談のため極たまに丸の内に出頭するのです。
バリっとしたスーツで颯爽と行き交うビジネスマン達の中でヨレヨレの背広にカバンをたすき掛けにしたおっさんがいたらそれが私です。
丸の内に行くときは大体憂鬱で、楽しい要素はあまりありません。
12月7日も年末の上司面談でしたが、この日はウキウキしながら丸の内に向かいました。
なぜなら東京駅地下”動輪の広場”で「わたしたちが創る展」があるからです。
もちろん上司面談の日程はわざとこの日に合わせて調整しました。
憂鬱な用件を終えた私は12月のイルミネーション輝く地上を尻目に真っ直ぐ地下へ。
「わたしたちが創る展」の会場は前回と同じ巨大なSLの車輪のオブジェがある”動輪の広場”です。
毎回初日のオープニングセレモニーは有名人が来たりするそうですが、今年はコロナ禍のため無しとのこと。ちょっと残念。
事前に伺う旨をお伝えしていたイベントのご担当者の課長さんは物腰の低いすごく良い方です。
ご挨拶をさせて頂き、 COMUGICO掲載に尽力頂いたことの感謝をつたえ、作品とパネル展示を見て回りました。
前回同様、丁寧に仕上げられたいろんな作品や写真に映った利用者さん達の表情が胸を打ちます。
利用者さん達が丹精を込めて作った野菜なども販売しており、私は初めて目にする”はやとうり”なる野菜と里芋、美味しそうなミカンを購入しました。
地方から東京に修学旅行で来た学生さん達が必ずくるであろう「東京駅」。テレビで「東京」というワードで流れる映像でお馴染みの丸の内口。
その地下で「わたしたちが創る展」を定期的に開催していることをもっと知ってほしいです。
日本のビジネスの中心で脇目も振らずに足早に歩いている人。眉間に縦皺寄せてスマホを眺めている人。
少し寄り道したり、視線をあげたらこんなステキなイベントやってますよ。
目的地への最短距離を歩いていたら出会えてなかった「わたしたちが創る展」。
“たまに迷子になってみるのも悪くないなぁ”
タスキがけにしたビジネスバッグを野菜でパンパンにした私は JR中央線に揺られながら車窓から大都会の灯りを見ながら思いました。
そして歴史のある”鉄道弘済会・弘済学園”が支援を必要とする方々の動輪となって大きな機関車を動かし、連結器で繋がった社会という客車を引っ張っていく様を想像するのです。
COMUGICOはその連結器の役割を果たすためにこれからも頑張ります。
イベント概要
今年度も弘済学園作品展・療育相談会を開催いたします。
この作品展は、知的障がい・自閉症のある方たちが、一生懸命学びながら生きるための力を培っている日々の作業学習の成果として、さまざまな手作り作品を展示し、多くの方に障害児・者福祉へのご理解と関心を持っていただくことを目的としています。
あわせて、療育等のご相談を随時お受けし、知的障がい・自閉症のある方たちの福祉の向上に貢献いたしたく開催させて頂いております。
日程 2020年12月7日(月)~12月9日(水) 時間 11:00~19:30 会場 JR東京駅 丸の内地下鉄南 動輪の広場 主催 公益財団法人 鉄道弘済会
社会福祉法人 東京都社会福祉協議会協賛 東日本旅客鉄道株式会社 後援 社会福祉法人 テレビ朝日福祉文化事業団
社会福祉法人 NHK厚生文化事業団
社会福祉法人 あさひ新聞厚生文化事業団
社会福祉法人 毎日新聞東京社会事業団
社会福祉法人 読売光と愛の事業団